存候ぞんじさふらふ)” の例文
我等われら學校がくかう何時いつかはまこと詩人しゞんづることあらん。そのときまでは矢張やはり『ろ』で十分じふゞんかと存候ぞんじさふらふ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しぎにありては百羽掻也もゝはがきなり、僕にありては百端書也もゝはがきなりつきのこんの寝覚ねざめのそらおゆれば人の洒落しやれもさびしきものと存候ぞんじさふらふぼく昨今さくこん境遇きやうぐうにては、御加勢ごかせいと申す程の事もなりかねさふらへども
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
かやうに思迫おもひつ候気さふらふきにも相成候上あひなりさふらふうへに、日毎にやみの奥に引入れられ候やうに段々心弱り候へば、うたがひも無く信心の誠顕まことあらはれ候て、此のとこき候が元にて、はや永からぬ吾身とも存候ぞんじさふらふまま
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唯今ただいまの此の気分苦く、何とも難堪たへがたき様子にては、明日は今日よりも病重き事と存候ぞんじさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
東京とうきやうにも歌人うたよみ大家先生たいかせんせい澤山たくさんあれど我等われらのやうに先生せんせい薫陶くんたう大島小學校おほしませうがくかうもんまなさふらふものならで、我等われら精神感情せいしんかんじやう唱歌しやうかうたいだるものるべきや、はなは覺束おぼつかなく存候ぞんじさふらふ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
此命このいのち御前様おんまへさまに捨て候ものに無御座候ござなくさふらはば、外には此人の為に捨て可申まをすべく存候ぞんじさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)