よめ)” の例文
縮をおる処のものはよめをえらぶにも縮のわざを第一とし、容儀ようぎつぎとす。このゆゑに親たるものは娘のおさなきより此わざ手習てならはするを第一とす。
それより生ずる道徳の頽敗寒心すべきもの多しとて、広くよめ入り盛りの女や、その両親にさとした親切至れる訓誡の書だ。
てえなばゞあはどうでれからよめにでもくあてがあんぢやなし、かまあねえこたあかまあねえがな」といつてわらつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これより東方の各地にも、『能登国名跡志』に珠洲すず郡高屋村のよめグリこの沖三里にあり、低き島にて磯よりは見えかぬるなり。磁石島にて鉄を吸うといい、船固く戒めて一里四方には近よらずとある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そらよめが出た。くるたびによめが出ない事はない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かみの氏子、堀の内にてよめをむかへ又はむこをとりたるにも、神勅しんちよくとてむこに水をたまはる、これを花水祝はなみづいはひといふ。毎年正月十五日の神㕝じんじ也。
うちかれよめをとつてちひさな世帶しよたいつてかせぐことになつた。よめもなく懷姙くわいにんしたが胎兒たいじんでさうして腐敗ふはいしてた。自分じぶん他人ひとかさだといつた。二三にんうまれたがどれも發育はついくしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これ吉瑞きちずゐなりけん、此年此家のよめ初産うひざん男子なんしをまうけ、やまひもなくておひたち、三ツのとし疱瘡はうさうもかろくして今年七ツになりぬ。