“再娶”の読み方と例文
読み方割合
さいしゆ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは榛軒の前妻の伊沢氏にゐた間の最後の消息と、榛軒が志保を識つた時期とに本づいて、其再娶さいしゆを此年天保三年の事と推定した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしはさきに山陽の未亡人里恵の書牘に拠つて、山陽再娶さいしゆの年を定めた。しかし女子が己の人に嫁した年を記すると、老人が園卉種子ゑんきしゆしの授受を記するとは、其間に逕庭があらうとおもふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
何故と云ふに、後妻は特に捜索して得たものでは無く、はやく父蘭軒が在世の日より、病家として相識つてゐた家のむすめであつたからである。榛軒再娶さいしゆの時は此年より遅れぬものと推する所以である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)