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たくわ
ふりがな文庫
“
多寡
(
たくわ
)” の例文
多寡
(
たくわ
)
が厄病神のやうな
流行物
(
はやりもの
)
——と鼻であしらつて來た平次も、庵室へ行つて見て、まるつきり豫想と違つて居るので驚きました。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身を軍籍に
措
(
お
)
かざれば祖国のために尽すの路なきが如き、利子付きにて戻る国債応募額の
多寡
(
たくわ
)
によつて愛国心の程度が計らるゝ世の中に候。
嗟嘆
(
ああ
)
、頓首。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
五郎
多寡
(
たくわ
)
が面一つの細工、いかに丹精を凝らすとも、百日とは費すまい。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
潰
(
つぶ
)
し是は
滅法界
(
めつぱふかい
)
に重き御品なり先生
此御杖
(
このおつゑ
)
は
何程
(
いかほど
)
の
貫目
(
おもみ
)
候やら私し共には
勿々
(
なか/\
)
持上らずと云ければ後藤は打笑ひ
否
(
いな
)
多寡
(
たくわ
)
の知たる鐵の
延棒
(
のべほう
)
某しが
杖
(
つゑ
)
の代りに
突
(
つい
)
て
歩行
(
あるく
)
品
(
しな
)
目方は十二三貫目も有べし途中にて
惡漢
(
わるもの
)
などに
出會
(
いであひ
)
し時には切よりも此棒にて
打偃
(
うちのめ
)
すが宜しと云つゝ片手にて是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
多寡
(
たくわ
)
が地主の金持と思つたのは、大變な
見縊
(
みくび
)
りやうで、近所の
木
(
こ
)
つ
端
(
ぱ
)
旗本や、安
御家人
(
ごけにん
)
の屋敷などは蹴落されさうな家です。
銭形平次捕物控:284 白梅の精
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
是非もない羽目ではござるものの、
多寡
(
たくわ
)
が女子ぢや。
番町皿屋敷
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まだ口を割らないが、
多寡
(
たくわ
)
が
棟割
(
むねわり
)
長屋だ。家の外へ隱すやうなこともあるまいから、床下でも掘ればいづれは出て來るよ」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こぼす女は
多寡
(
たくわ
)
が知れてるが、——自分の美しさを知り拔いて、それをチラリと覗かせると、男がどんなことになるかを樂しむ女は一番恐ろしい
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先は
多寡
(
たくわ
)
が質屋渡世の田代屋ですが、二萬兩の大身代の上、仔細あつて公儀からお聲の掛つた家柄、まさか着流しで出かけるわけにも行かなかつたのです。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
多寡
(
たくわ
)
が人殺し、神變不可思議の術がある筈もないと思ふが、江戸一番の御用聞と言はれる錢形の親分が、
肝膽
(
かんたん
)
を
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どうせたいしたことではあるまいと
多寡
(
たくわ
)
をくゝつてゐると、それが思ひも寄らぬ事件に發展して、正月半ばを過ぎたばかりの、
屠蘇
(
とそ
)
の醉もさめやらぬ平次に
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「急がしい身體とでもいふのかえ、
多寡
(
たくわ
)
が
博奕兇状
(
ばくちきようじやう
)
か何んかだらう、——一體何を話したいといふのだ」
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いやになるなア、そんなに
多寡
(
たくわ
)
をくゝつて居ちや。丹波屋の隱居は、俺をこんな目に逢はせた奴に、明日の天道樣を、まともに拜ませちやならねえ。錢形の親分を
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「人でも殺さうといふ野郎は、横着で馬鹿に決まつてゐまさア。二人迄殺して一向露見しさうもないとなると、
多寡
(
たくわ
)
をくゝつて、きつと三人目に取りかゝります」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お擧げ下さい。私は
多寡
(
たくわ
)
が町方の御用聞で、巾着切や
屋尻切
(
やじりきり
)
を追ひ廻すのが
身上
(
しんしやう
)
で、大名方の御家騷動に、首を突つ込むやうな大した働きのある人間ぢや御座いません
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最初は江戸の町人達も、どうせ、山かん野郎のペテン師だらうと
多寡
(
たくわ
)
をくくつて、——お寺の墓を掘り返して見ねえ、
骸骨
(
がいこつ
)
と一緒に、間違ひもなく六道錢は入つて居るよ。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よく判りました、奧樣。何の、
多寡
(
たくわ
)
が
白痴脅
(
こけおど
)
かしの化物ごつこくらゐ、
口幅
(
くちはゞ
)
つたいことを申すやうで恐れ入りますが、この利助の黒い眼で睨めば、一と縮みで御座いませう」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下手人の疑ひは眞つ直ぐに雪五郎の方へ行つたのも無理はないが、師匠の月齋と一緒だから、大丈夫許されるだらうと俺は
多寡
(
たくわ
)
をくゝつて居た。——誰もお關を疑ふ者はない。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お靜がお勝手口から飛び出したつて、まさか、身賣をするわけぢやあるめえ、
多寡
(
たくわ
)
が質屋通ひだ。こちとらの女房が質屋の
暖簾
(
のれん
)
をくゞるのは、三度の飯を
炊
(
た
)
くのと同じことだよ。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
多寡
(
たくわ
)
が子供の玩具の吹矢なら、洗ひ立てして、反つて氣の毒なことになりはしないか」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
與力筆頭笹野新三郎が出役となれば、
多寡
(
たくわ
)
が豪士の
見識
(
けんしき
)
も文句もありません。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
申したかも知れぬが、
多寡
(
たくわ
)
が千や二千の金、何んの苦勞もなく出してやつたものを——かう思ふと、あの出來の良い褒めものの伜を、腹を切るまで迷はせた女が憎くなるのは當り前ではないか
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先生の忘れ形見——
多寡
(
たくわ
)
が娘一人を目的に、命がけの爭を續けて居る横井源太郎には、斯うなつては、最早悔も
躊躇
(
ちうちよ
)
もありません。それほどお玉の値打は、二人の心を
囚
(
とら
)
へてしまつたのでせう。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いろ/\防ぎの手も考へたが、素人の智惠は
多寡
(
たくわ
)
が知れて居るから、何んか氣が付いたことがあつたら、親分の考へを彌十なり七之助なりへ言つてくれ——と斯うで、あつしを親分と言ひましたぜ
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どうせ大したことは出來ないと言つた、
多寡
(
たくわ
)
を
括
(
くゝ
)
つた態度です。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
富崎佐太郎が、金森家へ返した金がいくらか、確かな事が知り度いんだ。浪人物の工面なら
多寡
(
たくわ
)
が知れてゐるが、若し三千兩と
纒
(
まとま
)
つてゐたら、すぐ飛んで來てくれ。——佐太郎自身で持つて行つたか、使の者を
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人共萬に一つ
處刑
(
おしおき
)
になるやうな事はあるまいと
多寡
(
たくわ
)
を
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なアに、二本差でなきや、
多寡
(
たくわ
)
が知れてゐますよ」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あるわけはありません。あの通りの太つ腹で、奉公人も出入り職人も隨分
潤
(
うる
)
ほつてゐました。現にこの私など、
多寡
(
たくわ
)
が廻船問屋の番頭で、年に五兩か六兩の手當が當り前ですが、十兩の給金の外に、盆暮には十兩づつの御手當を
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
寡
常用漢字
中学
部首:⼧
14画
“多”で始まる語句
多
多勢
多少
多分
多忙
多人数
多數
多時
多日
多数