埼玉さいたま)” の例文
千葉ちば埼玉さいたま、あの大河たいが流域りうゐき辿たど旅人たびびとは、時々とき/″\いや毎日まいにちひとふたツは度々たび/″\みづ出會でつくはします。これ利根とねわすぬまわすみづんでる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼は埼玉さいたまの者、養子であった。まゆ商法に失敗して、養家の身代をほとんどってしまい、其恢復の為朝鮮から安東県に渡って、材木をやった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
埼玉さいたまや、茨城いばらきほうからくるんだ。おおきないし機械きかいにかけて、こんなにこまかにして、電車道でんしゃみちや、河川工事かせんこうじ使つかうのさ。」と、そのおとこは、こたえました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
十一屋の隠居の話で、半蔵らはそれが埼玉さいたま川越かわごえの方から伊勢町河岸いせちょうがしへと急ぐ便船びんせんであることを知った。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
じつはこちらさまにきっとお気に入ること大うけあいという上玉じょうだまがありましたもんで、それを迎えに行っておりましたような次第しだいで——ところがこれが埼玉さいたまざいでございまして
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
武芝は武蔵国造むさしのくにのみやつこの後で、足立あだち埼玉さいたま二郡は国中で早く開けたところであり、それから漸く人烟じんえん多くなつて、奥羽への官道の多摩たま郡中の今の府中のあるところに庁が出来たのであるが
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
沼、川、また沼、あしの湿地。曠野の道でいやなものは、水だった。下総の猿島さしまから、武蔵の葛飾かつしか埼玉さいたま足立あだちの方角をとって歩こうとすれば、大河や小さい河は、縦横無尽といっていい。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お医者さまの西庵さいあんさんが埼玉さいたまへいって」というふうのしゃれだ。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
それは埼玉さいたま県のT町だったのです。
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)