和泉屋いづみや)” の例文
どこの田舍ゐなかにもあるやうに、とうさんのむらでも家毎いへごと屋號やがうがありました。大黒屋だいこくや俵屋たはらや八幡屋やはたや和泉屋いづみや笹屋さゝや、それから扇屋あふぎやといふやうに。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
自分ばかりが博識ものしりがるものなり、菊塢きくう奥州おうしうよりボツト出て、堺町さかひてう芝居茶屋しばゐぢやや和泉屋いづみやかんらうかた飯焚めしたきとなり、気転きてんくより店の若衆わかいしゆとなり、客先きやくさき番附ばんづけくばりにも
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
「そんな氣樂な話ぢやありまやんよ。富澤町の和泉屋いづみやへ、泥棒が入つて人を一人殺したんだ」
和泉屋いづみやさんが、御居間でお帰りをお待ちでございます。」と云つた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
八幡屋やはたや和泉屋いづみや丸龜屋まるかめや、まだそのほかにも伯父をぢさんの挨拶あいさつつたうち澤山たくさんありましたが、そのたびとうさんたちさかになつたむらみちたうげうへはうのぼつてきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「第一番は和泉屋いづみやせがれ嘉三郎、——練塀小路ねりべいこうぢの油屋で、名題の青瓢箪べうたん
ずつとさかしたはうの三浦屋うらやという宿屋やどやはうんでくのもあります。むら染物そめものをする峯屋みねやへも、俵屋たはらやのおばあさんのうちへも、和泉屋いづみや和太郎わたらうさんのおうちへもんできました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)