トップ
>
吾儘
>
わがまま
ふりがな文庫
“
吾儘
(
わがまま
)” の例文
「他人の世話になりながら、退屈はおそれ入るな。おめえみたいな
吾儘
(
わがまま
)
者は見たことがねえ。おれを、刑部とまちがえちゃ困るぜ」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世に居玉わぬとて先祖の御心も察し奉らず
吾儘
(
わがまま
)
ばかり働くは、これを先祖を死せりと申し、
勿体
(
もったい
)
なき事どもなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
其処
(
そこ
)
には又
千百
(
いろいろ
)
事情が御座いまして、私の身に致しますと、その縁談は実に
辞
(
ことわ
)
るにも辞りかねる義理に成つてをりますので、それを不承知だなどと
吾儘
(
わがまま
)
を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし前日の母の教へを
記臆
(
きおく
)
して居り
升
(
まし
)
たから、まんざら
吾儘
(
わがまま
)
な
慾張
(
よくば
)
つた様なこと
丈
(
だけ
)
は
其中
(
そのうち
)
に
有
(
あり
)
ませんかつた。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
都会と田舎の此争は、如何に解決せらるゝであろう乎。京王は終に勝つであろうか。村は負けるであろうか。資本の
吾儘
(
わがまま
)
が通るであろう乎。労力の
嘆
(
なげ
)
きが聴かるゝであろう乎。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
僕は
吾儘
(
わがまま
)
な向っ腹を立てて歩きだした。するとうしろから魚戸の声が
追駈
(
おいか
)
けてきた。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
草履のそろわないうちは、駕を抜け出ないところは、やはり
吾儘
(
わがまま
)
でも
放縦
(
ほうじゅう
)
でも大名育ちらしいが、万太郎そろそろ常の駄々ぶりを現して
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが為に主人は非常な立腹で、さう
吾儘
(
わがまま
)
を言ふのなら、
費消
(
つかひこみ
)
を
償
(
まと
)
へ、それが出来ずば告訴する。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もしこの心得なく
己
(
おの
)
が心にまかせて
吾儘
(
わがまま
)
一ぱいを働きなば、
如何
(
いか
)
でその家衰微せざらんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
都会が田舎の意志と感情を無視して
吾儘
(
わがまま
)
を通すなら、其れこそ本当の無理である。無理は分離である。分離は死である。都会と田舎は
一体
(
いったい
)
である。農が
濫
(
みだり
)
に土を離るゝの日は農の死である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
吾儘
(
わがまま
)
を云いあうことができるのだった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
むしろ恥をしのんでも、必ず、憎ッくき
吾儘
(
わがまま
)
娘を成敗して、聟殿のご面目を立てるに
如
(
し
)
くはない。……唯、しばらくのご堪忍を
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十六歳の夏、兄と
阿蘇
(
あそ
)
の温泉に行く時、近道をして三里余も畑の
畔
(
くろ
)
の
草径
(
くさみち
)
を通った。
吾儘
(
わがまま
)
な兄は
蛇払
(
へびはらい
)
として彼に
先導
(
せんどう
)
の役を命じた。其頃は蛇より兄が尚
恐
(
こわ
)
かったので、
恐
(
お
)
ず/\五六歩先に立った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
『でも、真雄や。……
彼
(
あ
)
れの胸も察してやったがよい。環は、
吾儘
(
わがまま
)
や自分の移り気で、養家を出たのではありませぬぞ』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぼくらはつねに、それも何十年、挿画壇の人々にめいわくをかけ
吾儘
(
わがまま
)
をゆるしてもらって来たわけである。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読者の代弁のつもりだからそんな
吾儘
(
わがまま
)
もいえる。そのかわり、初めの絵より、よくなったのは確かであった。描き終わると、健吉さんは、日光の華厳を見に行った。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堂上の姫で、
吾儘
(
わがまま
)
で、勝気で、世を
拗
(
す
)
ねている御方の始末には、さすがの家綱もちょっと当惑した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それをてめえ、有り難えと思わず、
欝
(
ふさ
)
いで、さアあったという段になってから、じぶくるなんざあ
吾儘
(
わがまま
)
すぎるッてもんだぞっ。俺たち夫婦を、板ばさみにして、
腹癒
(
はらい
)
せする気かっ
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兵庫は、駈け寄るなり、駕のたれを
刎
(
は
)
ね上げたが、もう間にあわなかった。
吾儘
(
わがまま
)
で、容易に意志を曲げない女だけに——
自
(
みずか
)
ら喉を突いた短い
刃
(
やいば
)
も、襟へ抜けるほど深く貫いていた。
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
流人
(
るにん
)
とはいえ、まだまだ多分に貴族的な起居をゆるされている頼朝は、配所の
家人
(
けにん
)
に対しても、ずいぶん
吾儘
(
わがまま
)
なふうがあった。盛綱などは、腹を立てて、何度も渋谷へ逃げ帰った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恋の盲目は何をするか分らない——殊に御方は公卿出の
気位
(
きぐらい
)
と、江戸で別扱いの
吾儘
(
わがまま
)
に勝った人、まったくそんなこともやりかねないのである。新九郎は
咽
(
のど
)
を締められるような強迫を感じた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、取ってもらわないと、これから
吾儘
(
わがまま
)
が頼めないから」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
豪雨が出ても、その附近だけは、もう水は
吾儘
(
わがまま
)
でなかった。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺西閑心と並んで
吾儘
(
わがまま
)
無類と云われた豪の者深見重左衛門。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まことに、
吾儘
(
わがまま
)
らしい申し出でござるが——」
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吾
漢検準1級
部首:⼝
7画
儘
漢検準1級
部首:⼈
16画
“吾儘”で始まる語句
吾儘者
吾儘坊