“否（ノー）” の例文
あのロザマンドが受難者でせうか、勤勞者だらうか、女の使徒だらうか？　ロザマンドが宣教師の妻になり得るだらうか？　否（ノー）！
ジエィン・エア：02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) ／ シャーロット・ブロンテ(著)
「マドリッド市中へ現われたところのバルビュー氏の亡霊は……」「否（ノー）！」と博士は苦笑しながら記者の愚問を遮った。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) ／ 国枝史郎(著)
この国守の不倫に対して「否（ノー）！」と言いえる人があったのは、ガリラヤの名誉であり、その人自身の不幸でありました。
イエス伝：マルコ伝による (新字新仮名) ／ 矢内原忠雄(著)
俺（おれ）が、このコップをこうあげたらヒヤヒヤだ、机の此処（ここ）へ手をやったら否（ノー）だ。こういう風になったら拍手だと教える。
旧聞日本橋：05 大丸呉服店 (新字新仮名) ／ 長谷川時雨(著)
出合い頭（がしら）に突然誰かとオブツカリになったようなことは、ありませんでしたか？　と聞いてみたのに対して、未亡人はことごとく、否（ノー）と答えている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) ／ 橘外男(著)
然しキリストの様な熱と血の流れて居る多くの聖徒を思ふと、また『否（ノー）、否（ノー）』と反対せねばならぬ様に思はれた。
死線を越えて：01 死線を越えて (新字旧仮名) ／ 賀川豊彦(著)
「否（ノー）と先ず一語を下して置きます。諸君にしてもし僕の不思議なる願というのを聴いてくれるなら談（はな）しましょう」
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) ／ 国木田独歩(著)
若し、そんな話を持ち出して来たらと、彼女は実のところ警戒に警戒をしてゐるのであるが、その半面に、もう自分だけの気持は決つてゐて、いざとなつたら、返事は「否（ノー）」だ。
双面神 (新字旧仮名) ／ 岸田国士(著)
憂色、面（おもて）に現然たる議長が何やらん唇（くち）を開かんずる刹那（せつな）「否（ノー）ツ」と一声、巨鐘の如く席の中央より響きたり、看（み）よ、菱川硬二郎は夜叉（やしや）の如く口頭より焔（ほのほ）を吐きつゝ突ツ起ちてあり
火の柱 (新字旧仮名) ／ 木下尚江(著)
その心も「否（ノー）」という言葉を知らないのかと思われるくらい柔和で、両親の言葉に反（そむ）いた事が生れて一度もないばかりでなく、女一通りの学問や、手仕事の勉強は申すも更らなり、毎朝
霊感！ (新字新仮名) ／ 夢野久作(著)
「飼主、わたくし愛している、動物の生命を売る！　否（ノー）、否（ノー）」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
団員は、それに対して、唯（ただ）、諾（イエス）か否（ノー）かを表示すればよい。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
「否（ノー）——」
Ｒ漁場と都の酒場で (新字旧仮名) ／ 牧野信一(著)
『否（ノー）！』
踊る地平線：02　テムズに聴く (新字新仮名) ／ 谷譲次(著)
信じて私たちはもう荷造りも済ませて引き移るばかりになっているのです。ハッキリ諾（イエス）か否（ノー）かを
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) ／ 橘外男(著)
田所　ところが、ただ「否（ノー）」では、僕が承知すまいとおつしやつて下さい。
沢氏の二人娘 (新字旧仮名) ／ 岸田国士(著)
「否（ノー）！」と一声叫けんで岡本は椅子を起（た）った。彼は最早（もう）余程（よほど）酔っていた。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) ／ 国木田独歩(著)
『否（ノー）！』
踊る地平線：02　テムズに聴く (新字新仮名) ／ 谷譲次(著)
一寿　「否（ノー）」といふ返事なら聞くに及ぶまい。
沢氏の二人娘 (新字旧仮名) ／ 岸田国士(著)
それでは否（ノー）の一語を今一度叫けんで置きます。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) ／ 国木田独歩(著)
『否（ノー）！』
踊る地平線：02　テムズに聴く (新字新仮名) ／ 谷譲次(著)