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吐
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つき
吐家主廣次郎
同道にて我が家にこそは
歸りけれ
扨夫より原田は虎松に向ひ其方明日杉戸へ
案内を致せ
因て今日は
家主巳之助
其方へ虎松を
虚言という者
誰吐そめて正直は
馬鹿の
如く、真実は
間抜の
様に扱わるゝ事あさましき世ぞかし。
むかッとして胸を
圧えて、
沓脱へ
吐もどすように、庭下駄を探った時は、さっき
別亭へ導かれた縁の口に、
渠一人、
鮾れた烏賊の燃ゆるのを
樹の
間に見つつ、頸筋、両脇に
見て
取何れ又後藤樣の御歸りの上願ひに出んと云て
立去しに夫婦はホツと
溜息を
吐今も今とて相談の折から此家の旅籠の
書付を
卸し主從四人ほツとばかり
溜息を
吐ながらも先々
首尾よく
僞り出しを
喜び最早
氣遣ひなしと
爰にて越前守には
麻上下を