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印気
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インキ
ふりがな文庫
“
印気
(
インキ
)” の例文
旧字:
印氣
彼は読みながらその紙へ赤い
印気
(
インキ
)
で棒を引いたり丸を書いたり三角を附けたりした。それから細かい数字を並べて面倒な勘定もした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
印気
(
インキ
)
の助けを借らないで、鮮明な印刷物を
拵
(
こし
)
らえるとか云う、ちょっと聞くとすこぶる重宝な器械についてであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
ただ
)
のペンを用い出した余は、
印気
(
インキ
)
の切れる
度毎
(
たびごと
)
に
墨壺
(
すみつぼ
)
のなかへ筆を
浸
(
ひた
)
して新たに書き始める
煩
(
わずら
)
わしさに
堪
(
た
)
えなかった。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私の心はこの多量の紙と
印気
(
インキ
)
が、私に何事を語るのだろうかと思って驚いた。私は同時に病室の事が気にかかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はまた
洋筆
(
ペン
)
を放り出した。赤い
印気
(
インキ
)
が血のように半紙の上に
滲
(
にじ
)
んだ。彼は帽子を
被
(
かぶ
)
って寒い往来へ飛び出した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
純白なものに
一雫
(
ひとしずく
)
の
印気
(
インキ
)
でも
容赦
(
ようしゃ
)
なく振り掛けるのは、私にとって大変な苦痛だったのだと解釈して下さい。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は漫然と万年筆を手にしたまま、不動の
滝
(
たき
)
だの、ルナ
公園
(
パーク
)
だのと、山里に似合わない変な題を付けた地方的の景色をぼんやり眺めた。それからまた
印気
(
インキ
)
を走らせた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ペリカンは余の要求しないのに
印気
(
インキ
)
を
無暗
(
むやみ
)
にぽたぽた原稿紙の上へ落したり、又は是非墨色を出して
貰
(
もら
)
わなければ
済
(
す
)
まない時、
頑
(
がん
)
として要求を拒絶したり、随分持主を虐待した。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
尤
(
もっと
)
も持主たる余の方でもペリカンを厚遇しなかったかも知れない。
無精
(
ぶしょう
)
な余は
印気
(
インキ
)
がなくなると、勝手次第に机の上にある
何
(
ど
)
んな印気でも構わずにペリカンの腹の中へ
注
(
つ
)
ぎ込んだ。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤い
印気
(
インキ
)
で汚ない半紙をなすくる
業
(
わざ
)
は
漸
(
ようや
)
く済んだ。新らしい仕事の始まるまでにはまだ十日の間があった。彼はその十日を利用しようとした。彼はまた
洋筆
(
ペン
)
を執って原稿紙に向った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時の余は
印気
(
インキ
)
の切れた
万年筆
(
まんねんふで
)
の端を
撮
(
つま
)
んで、ペン先へ墨の通うように一二度
揮
(
ふ
)
るのがすこぶる苦痛であった。実際健康な人が片手で
樫
(
かし
)
の六尺棒を振り廻すよりも
辛
(
つら
)
いくらいであった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨夕
紐
(
ひも
)
を通した
環
(
かん
)
が、どうした具合か抜けている。井深はそのついでに額の裏を開けて見た。すると画と背中合せに、四つ折の西洋紙が出た。開けて見ると、
印気
(
インキ
)
で妙な事が書いてある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
絵の具を乾かす時間が
省
(
はぶ
)
けるだけでも大変重宝で、これを新聞に応用すれば、
印気
(
インキ
)
や印気ロールの
費
(
ついえ
)
を節約する上に、全体から云って、少くとも従来の四分の一の手数がなくなる点から見ても
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
レオパルジの隣にあった
黄表紙
(
きびょうし
)
の日記を持って煖炉の前まで戻って来た。親指を抑えにして小口を雨のように飛ばして見ると、黒い
印気
(
インキ
)
と
鼠
(
ねずみ
)
の鉛筆が、ちら、ちら、ちらと黄色い表紙まで来て留った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白い紙の上に一点の暗い
印気
(
インキ
)
が落ちたような気がした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
印
常用漢字
小4
部首:⼙
6画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“印”で始まる語句
印
印度
印籠
印半纏
印形
印象
印綬
印南野
印旛沼
印旛