切々きれ/″\)” の例文
それ同時どうじ此処こゝひかりさへぎつてひるもなほくら大木たいぼく切々きれ/″\に一ツ一ツひるになつてしまうのに相違さうゐないと、いや、まツたくのことで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女中は泣出しそうな顔になってじっと考えて居たが、やがて細い声で切々きれ/″\に答えた。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
そして、その聲は苦痛と悲歎の内にくるほしく、暗く、切々きれ/″\と響いた。
元來ぐわんらいきしやなぎは、家々いへ/\根太ねだよりもたかいのであるから、破風はふうへで、切々きれ/″\に、かはづくのも、欄干らんかんくづれた、いたのはなれ/″\な、くひけた三角形さんかくけいはしうへあししげつて、むしがすだくのも
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お篠は口惜し涙にむせびながら、切々きれ/″\に喚き出した。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)