わかれ)” の例文
銃をも、引上げて身に立てかけてよこしたのを、弱々よわよわと取つてひっさげて、胸を抱いて見返ると、しまの膝を此方こなたにずらして、くれないきぬの裏、ほのかに男を見送つて、わかれおしむやうであつた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜なかまで待たずに君とおわかれにするよ。
の、いま、鎭守ちんじゆみやから——みちよこぎる、いはみづのせかるゝ、……おと溪河たにがはわかれおもはせる、ながれうへ小橋こばしわたると、次第しだい兩側りやうがはいへつゞく。——小屋こや藁屋わらや藁屋わらや茅屋かやや板廂いたびさし
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)