分時ぷんじ)” の例文
けた玉菜たまなや、ランプのいぶりや、南京蟲なんきんむしや、アンモニヤのにほひこんじて、はひつたはじめの一分時ぷんじは、動物園どうぶつゑんにでもつたかのやうな感覺かんかく惹起ひきおこすので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
じっと目をじて祈念するとふしぎにも勇気が次第に全身に充満する。朝飯をすまして塾へゆくと安場がすでにきていた。一分時ぷんじの違いもなく全員がうちそろうた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
二三分時ぷんじ前までは文三は我女わがむすめの夫、我女は文三の妻と思詰めていた者が、免職と聞くより早くガラリ気がかわッて、にわか配合めあわせるのが厭に成ッて、急拵きゅうごしらえ愛想尽あいそづかしを陳立ならべたてて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
渺々びょうびょうたる相洋は一分時ぷんじならずして千波万波ばんぱかなえのごとく沸きぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
けた玉菜たまなや、ランプのいぶりや、南京虫なんきんむしや、アンモニヤのにおいこんじて、はいったはじめの一分時ぷんじは、動物園どうぶつえんにでもったかのような感覚かんかく惹起ひきおこすので。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
エヒミチははじめの一分時ぷんじは、なん意味いみもなく書物しよもつはなれ、ダリユシカと麥酒ビールとにわかれて、二十年來ねんらいさだまつた其生活そのせいくわつ順序じゆんじよやぶるとこと出來できなくおもふたが、またふかおもへば、市役所しやくしよりしこと
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
エヒミチははじめの一分時ぷんじは、なん意味いみもなく書物しょもつはなれ、ダリュシカと麦酒ビールとにわかれて、二十年来ねんらいさだまったその生活せいかつ順序じゅんじょやぶるとうことは出来できなくおもうたが、またふかおもえば、市役所しやくしょでありしこと
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)