トップ
>
八丁堀
>
はっちょうぼり
ふりがな文庫
“
八丁堀
(
はっちょうぼり
)” の例文
老人に指導をうけた
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の若手や、難事件に墜ちて手にかかった人々などが、相談をまとめてから、この話を、鶉坂へ持ちこんだ。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なかよく連れだってぶらりぶらり
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
のお組屋敷へ帰りついたのが、かれこれもう夜も
二更
(
にこう
)
に近い五ツ下がり刻限でした。
右門捕物帖:14 曲芸三人娘
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
少し古い土地の人なら、
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
に
岡吉
(
おかよし
)
と云う色物専門の寄席があったのを記憶しているはずである。その寄席の経営者は
米
(
よね
)
と云う仕事師であった。
寄席の没落
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
神田川
(
かんだがわ
)
や
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
なぞいう川筋、また
隅田川
(
すみだがわ
)
沿岸の如きは
夕陽
(
せきよう
)
の美を
俟
(
ま
)
たざるも、それぞれ他の趣味によって、それ相応の特徴を附する事が出来る。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
父君は
樋口則義
(
ひぐちのりよし
)
、母君は
滝
(
たき
)
といって、安政年間に志をたてて共に江戸に出、母は
稲葉家
(
いなばけ
)
に仕え、父は旗本菊池家に奉公し、後に
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
衆(与力同心)に加わった。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
僕は東京へ来て、
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の
偕楽園
(
かいらくえん
)
や、神田の会芳楼などで、先輩から、所謂支那料理を
饗応
(
きょうおう
)
された事がありますが、僕は生れてはじめて、あんなおいしいごちそうを食べました。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の旦那方をはじめ、江戸の
岡
(
おか
)
っ
引
(
ぴき
)
の大部分が、付け届けと役得で、要領よく
贅沢
(
ぜいたく
)
に暮している中に、平次と八五郎は江戸中の悪者を
顫
(
ふる
)
え上がらせながらも、相変らず潔癖で
呑気
(
のんき
)
で
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
祖父に当る富五郎は
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
に
鰻屋
(
うなぎや
)
をしていたこともありました。
幕末維新懐古談:01 私の父祖のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「ほほほ、音を立てろ——だと!
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
もどきだね」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ご高家のお殿さまが、
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
からこっそり帰ったと人目にかかりましては世間へのはばかりもござりましょうゆえ、ご遠慮なくお召しくださりませ。
右門捕物帖:18 明月一夜騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それより一年ほど星巌は
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
に
僦居
(
しゅうきょ
)
していたが火災に
遇
(
あ
)
い、遂に地を神田お玉ヶ池に相して新に家を築き、天保五年十一月某日に移り住したのである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
を出たのが五ツ下がり、途中
駕籠
(
かご
)
を拾って、目ざした水金にみこしを降ろしたのがちょうど四ツでした。
右門捕物帖:19 袈裟切り太夫
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「こうこう仙果さん。大きな声をしなさんな。その辺に
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の手先が
徘徊
(
うろつ
)
いていねえとも限らねえ……。」
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お千代は
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の妾宅に、重吉は
僅
(
わずか
)
二、三
町
(
ちょう
)
はなれた
新富町
(
しんとみちょう
)
の貸間に新年を迎え、間もなく二月ぢかくになったが、尋ねる人の
行衛
(
ゆくえ
)
は一向にわからなかった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「この巻き羽織見たら
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
衆ってことがわかるはずだ。嵐三左衛門の寝泊まりしていた座敷へ案内せい」
右門捕物帖:23 幽霊水
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
栃
(
とち
)
のようなのをぽろぽろとやっていましたが、右門はべつにほめられるほどがものでもないといったような面持ちで、さっさと
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
のほうへ引き揚げていきました。
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
滑るがように心持よく
三十間堀
(
さんじっけんぼり
)
の堀割をつたわって、夕風の空高く竹問屋の青竹の
聳立
(
そばだ
)
っている
竹河岸
(
たけがし
)
を左手に眺め
真直
(
まっすぐ
)
な
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の
川筋
(
かわすじ
)
をば
永代
(
えいたい
)
さして進んで行った。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
以前ぶらぶらしていた時分行き
馴
(
な
)
れた
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の
講釈場
(
こうしゃくば
)
の事を
思付
(
おもいつ
)
いて、
其処
(
そこ
)
で時間をつぶした
後
(
のち
)
地蔵橋
(
じぞうばし
)
の
天麩羅屋
(
てんぷらや
)
で一杯やり、新富町の
裏河岸
(
うらがし
)
づたいに帰って来ると
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「さようか、なによりじゃ。では、黙山坊を同道いたして、明日早く
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
へたずねてまいれよ」
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
わたくしは急いで
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の母の家へ出かけて行きました。母のことは大体友達のつゆ子から聞いていましたから、午後がよかろうと思って、三時頃にたずねたのです。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
江戸
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の同心が不意になわ張りを離れて、方面違いも方面違いの武州くんだりまでも飛び移るんですから、なかにはさだめし不審に思われるおかたもございましょうが
右門捕物帖:03 血染めの手形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「いいや。どういうおつもりか、お組頭、ちとふにおちぬことをされたわい。密々の早馬、すぐに
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
へ飛ばしてのう、だれか知らぬが火急に呼び招いた様子でござるぞ」
右門捕物帖:31 毒を抱く女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
むかし見当橋のかかっていた川○
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
地蔵橋かかりし川、その他。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「なんだとッ。やじうまたあ何をぬかしゃがるんでえ!
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の伝六親方を知らねえかッ」
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
買いとってだいじそうに懐中すると、見せ物小屋のほうへ行くかと思うとそうではないので、待たしておいた駕籠をうたせながら、ずっと帰ってきたところは
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
の組屋敷です。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
南町
奉行
(
ぶぎょう
)
お配下の与力同心たちがかたまっている
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
のお組屋敷でも、お多聞に漏れずそのお花見があるというので、もっともお花見とはいってももともとが警察事務に携わっている連中ですから
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
八
常用漢字
小1
部首:⼋
2画
丁
常用漢字
小3
部首:⼀
2画
堀
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
“八丁堀”で始まる語句
八丁堀衆
八丁堀亀島町
八丁堀北島町