光栄こうえい)” の例文
旧字:光榮
伊賀衆いがしゅうのなかでも、隠密の上手じょうずとは聞いたが、なんという光栄こうえいをもった男だろうと、人々の目は、いよいよかれと主君しゅくんとにそそがれていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このたび不意ふい殿とのさまにおいでをねがって、このうえのない光栄こうえいにぞんじましたが、まちまでちゃわんをもとめてきますひまがなかったのでございます。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども、今から想像そうぞうされるまご光栄こうえいに一しょに加わりたいというそのねがいは、ごくつつましいあわれなものだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「さて」とヴィタリスはことばをつづけて、白のむく犬のほうに手をさしのべた。「つぎはカピ親方が、ご臨席りんせき貴賓諸君きひんしょくん一座いちざのものをご紹介しょうかい申しあげる光栄こうえいを有せられるでしょう」
予また幕末ばくまつ編年史へんねんしを作り、これを三十年史となづ刊行かんこうして世にわんとせし時、誰人たれびとかに序文じょぶんわんと思いしが、駿しゅんかたわらりて福沢先生の高文こうぶんを得ばもっとも光栄こうえいなるべしという。
お前が立派りっぱ音楽家おんがくかになり、えらい芸術家げいじゅつかになって、一家の光栄こうえい、芸術の光栄、祖国そこく光栄こうえいとなった時、お前が有名になった時、その時になって、思い出してくれるだろうね、おまえ最初さいしょに見出し
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
どうだい、蛾次郎がじろうさまの光栄こうえいは!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)