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何心
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なにごヽろ
お
民は
此家に十
年あまり
奉公して
主人といへど
今は
我が
子に
替らず、
何とぞ
此人を
立派に
仕あげて
我れも
世間に
誇りたき
願ひより、やきもきと
氣を
揉むほど
何心なきお
園の
体のもどかしく
人にも
見せず
落さぬ
樣に
御覽に
入れろと
吾助の
言ひしは、
畫よりも
良きに
相違はなし、
是非人形を
賜はれとて
手渡しするに、
何心なく
開らきて
一二行よむとせしが、
物言はず
疊みて
手文庫に
納めれば