にんべん)” の例文
日本では一流の大商店、すなわちにんべんも鰹節を百貨店に納めて居る。また菓子店として有名な藤村や栄太楼も自店の品を納めている。
私の小売商道 (新字新仮名) / 相馬愛蔵(著)
ちいさいじぶんの冬の晩、どこのかへりだらう大叔母に手をひかれてもう半分ほど大戸を下ろしてしまつた、にんべんだか山本だかで買物をすまし、おもてへでると
寄席風流 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
蒸立だとか、好い色だとか云って、喜んでよ、こっちからも、にんべんの切手の五十銭ぐらい祝ったろう。小遣帳にいているだろう。そのおんなの行先が知れない奴があるものか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蛾眉山がびさんのあるしよくは都をる事とほ僻境へききやうなり。推量すゐりやうするに、田舎ゐなか標準みちしるべなれば学者がくしやかきしにもあるべからず、俗子ぞくしの筆なるべし。さればわが今のぞく竹を※とにんべんあやまるるゐか、なほ博識はくしきせつつ。
人力車じんりきしや——腕車わんしやが、にんべんくるまつた、紅葉先生こうえふせんせい創意さういであるとおもふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蛾眉山がびさんのあるしよくは都をる事とほ僻境へききやうなり。推量すゐりやうするに、田舎ゐなか標準みちしるべなれば学者がくしやかきしにもあるべからず、俗子ぞくしの筆なるべし。さればわが今のぞく竹を※とにんべんあやまるるゐか、なほ博識はくしきせつつ。
ところで、その、お差支さしつかへのなさをうらがきするため、かね知合しりあひではあるし、綴蓋とぢぶた喜多きた家内かないが、をりからきれめの鰹節かつをぶしにんべん買出かひだしにくついでに、そのねえさんのうち立寄たちよつて、同行三人どうかうさんにん日取ひどりをきめた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(あら、可哀相に、おてんばじゃありません。にんべんの。)
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)