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井然
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せいぜん
ふりがな文庫
“
井然
(
せいぜん
)” の例文
この結論に達するまでの理路は極めて
井然
(
せいぜん
)
としていたが、ツマリ
泥水稼業
(
どろみずかぎょう
)
のものが
素人
(
しろうと
)
よりは勝っているというが結論であるから
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
堀割に沿うて造られた
街衢
(
がいく
)
の
井然
(
せいぜん
)
たることは、松江へはいるとともにまず自分を驚かしたものの一つである。
松江印象記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
共同墓地と名にはいうが、その地面には
井然
(
せいぜん
)
たる区画があって、毎区に所有主がある。それが墓の檀家である。そして現在の檀家の
中
(
うち
)
には池田という家はない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
まん丸な木や、円錐形の木や、三角の芝生や、五角の花畑などが幾何学的に
井然
(
せいぜん
)
として居るのは、子供にも俗人にも西洋好きのハイカラ連にも必ず受けるであらう。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
笹野新三郎の言うことは理路
井然
(
せいぜん
)
としておりました。銭形の平次、捕物にかけては天下の名人ですが、大名方の消息は、与力の笹野新三郎ほどは読んでいなかったのです。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
の
知
(
し
)
つてるのは
幾屈曲
(
いくくつきよく
)
をなして
居
(
ゐ
)
た
當時
(
たうじ
)
である。
彼
(
かれ
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
極端
(
きよくたん
)
に
人工的
(
じんこうてき
)
の
整理
(
せいり
)
を
施
(
ほどこ
)
された
耕地
(
かうち
)
に
驚愕
(
おどろき
)
の
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
溝渠
(
こうきよ
)
の
井然
(
せいぜん
)
として
居
(
ゐ
)
るのに
見惚
(
みと
)
れて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
黒田権少属、熊城史生出デヽ
郛門
(
ふもん
)
ニ迎フ。コノ地原ハ仙台ノ支族伊達
安芸
(
あき
)
ノ居所ニ係ル。
街衢
(
がいく
)
井然
(
せいぜん
)
トシテ
商估肆
(
しょうこし
)
ヲ
列
(
つら
)
ネ隠然トシテ一諸侯ノ城邑ノ如シ。今春土浦ノ藩士朝命ヲ以テ来リ鎮ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もとより、理路
井然
(
せいぜん
)
として、少しの不自然もないように出来ればそれに越したことはないけれど、作品の芸術的効果を無視してまで、「理」に忠実なろうとすることは、私の取らない所である。
「心理試験」序
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
街衢
(
がいく
)
の地割の
井然
(
せいぜん
)
たるは、幾何學の圖を
披
(
ひら
)
きたる如く、軒は同じく出で、
梯
(
はしご
)
は同じく高く、家々の並びたるさまは、檢閲のために列をなしたる兵卒に殊ならず。清潔なることはいかにも清潔なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
井然
(
せいぜん
)
たる
山下
(
さんか
)
の村落に
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
質問いまだ終らざるに早く既に不折君の
滔々
(
とうとう
)
として弁じ初むるを見ん、もし傍より妨げざる限りは君の答弁は一時間も二時間も続くべく、しかもその言ふ所条理
井然
(
せいぜん
)
として乱れず
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
茶店の老爺の話は思ひの外
井然
(
せいぜん
)
として居ります。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
茶店の老爺の話は思いの外
井然
(
せいぜん
)
としております。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“井然”の意味
《名詞》
井然(せいぜん)
(区画整理されたように)きちんと整っていること。
(出典:Wiktionary)
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“井”で始まる語句
井
井戸
井桁
井戸端
井伊掃部頭
井筒
井楼
井上
井水
井上一郎