トップ
>
不承不承
>
ふしょうぶしょう
ふりがな文庫
“
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)” の例文
男たちは、首領の青ざめた顔を、不審らしくジロジロと眺めていたが、また
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に、廊下の向こうへと引き返して行こうとした。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
老番頭の
太兵衛
(
たへえ
)
もどうすることも出来ません。
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
下男に言い付けて、奉公人の部屋から、古い
竹行李
(
たけごうり
)
を一つ持って来させました。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
洋一は誰かに聞かされた、そんな話を思い出しながら、しばらくの
間
(
あいだ
)
は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に、
一昨年
(
いっさくねん
)
ある呉服屋へ縁づいた、病気勝ちな姉の
噂
(
うわさ
)
をしていた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そういわれて、キンチャコフはつい
兜
(
かぶと
)
を
脱
(
ぬ
)
いだ。彼は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に、逞しい形のピストルをポケットの中に収いこんだ。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
少年は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
、五郎に並んで綱に腰をおろした。五郎は内ポケットから金を取り出した。百円玉を少年に渡した。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
と、おやじは、なかば
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に、裏の水ぎわから
河岸
(
かし
)
つづきの竹林をのぞんで、何か、
指合図
(
ゆびあいず
)
をしております。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでもお徳の不審はまだ晴れないので、旦那かおかみさんを起こしてくれと又頼むと、寅次は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に奥へはいったが、やがて女房のお新を連れ出して来た。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一日じゅう警戒をつづけ、夜になると
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
お祈りをしてわれわれ自身を不確かさにゆだねる。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
またくだらないことで呼ぶのだろうと、三度に一度はつい聞かないふりをしているとか、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に返事をするようなことは、まず何よりも子供にきらわれるはじめです。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
かれは
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
にわたしの言うことを聞いたが、しかしひどくふくれっ
面
(
つら
)
をして、目をじっと入口に向けていた。よほどしつっこい、いったん思い立ったことを
忘
(
わす
)
れない犬であった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
小僧は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
にまた奥へ行きましたが、小さな紙包を一つ持って出て来て
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
葉子はいい潮時を見計らって巧みにも
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
そうに倉地の言葉に折れた。そして田島の
塾
(
じゅく
)
からいよいよ妹たち
二人
(
ふたり
)
を呼び寄せる事にした。同時に倉地はその近所に下宿するのを余儀なくされた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
波子は、ええとうなずいたが、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
のそれで
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
事務員は、又しても、守の姿を、頭のてっぺんから、足の先までジロジロと眺めてから、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に奥へ消えて行った。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に相手を見返りながら、うるさそうに「何だい。」と答えると、泰さんは急ぎ足に追いついて、「君は今、車へ乗って通った人の顔を見たかい。」
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
奮然張飛は反抗しかけたが、玄徳になだめられて、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
、出ていった。嘲笑いながら、出陣した。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
船頭が
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に棹を下ろすと、犬はヒラリと舟の中へ飛んで乗りました。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
平次は
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
の顔をネジ向けました。
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こうなっては、本間さんもとにかく一しょに、立たざるを得ない。そこでM・C・Cを
銜
(
くわ
)
えたまま、両手をズボンのポケットに入れて、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に席を離れた。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
屋形船
(
やかた
)
には、もう斧四郎も、浜中屋のお菊ちゃんも来て待っているというので、露八は、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お母さんは最初は気が進まぬ様子であったが、こうでもしなければ怪獣の襲撃を逃れるすべはないと説かれて、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に
承諾
(
しょうだく
)
をあたえた。信頼しきっている神谷青年の勧めをしりぞけかねたのだ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「どうも困ったものだよ。われわれの兄貴は人が好すぎるね。
狡
(
ずる
)
い奴は、その弱点へつけ込むだろう。……まして、呂布などを出迎えに出るなんて」と、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
従った。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私はこの記者から前にも一二度不快な印象を受けた覚えがあるので、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に返事をした。
沼地
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こうまでいわれては、
矮虎
(
わいこ
)
も
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
、指を
咥
(
くわ
)
えてあきらめるほかはない。もちろん燕順も白面郎も切にそれをすすめ、気まずいながら、事はやっと一段落を見たかたち。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
成程
(
なるほど
)
そう云う気が起りでも致しませんでしたら、昇る気づかいのない竜を待って、いかに
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
とは申すものの、
南大門
(
なんだいもん
)
の下に
小一日
(
こいちにち
)
も立って居る訳には参りますまい。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや、それほど何も、大した事ではございません。」内蔵助は、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に答えた。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
周馬も、一時、カッとした
疳筋
(
かんすじ
)
の血が下がってみれば、もとより、好むところの斬合いではないので、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に、イヤ、むしろホッとした気持で、お十夜の扱いに任せることになった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
というと、
不承不承
(
ふしょうぶしょう
)
に
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
承
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
承
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“不承不”で始まる語句
不承不精