“わからずや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
没分暁漢30.8%
沒分曉漢19.2%
没分暁11.5%
無理解者3.8%
歿分暁3.8%
歿分暁漢3.8%
沒分曉3.8%
沒分曉的3.8%
没不暁漢3.8%
没情漢3.8%
没理漢3.8%
無学漢3.8%
無學漢3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『好し、好し。今帰つてやるよ。僕だつて然う没分暁漢わからずやではないからね、先刻御承知の通り。処でと——』と、腕組をして凝乎じつと考へ込むふうをする。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『好し、好し、今歸つてやるよ。僕だつて然う沒分曉漢わからずやではないからね、先刻御承知の通り。處でと——』と、腕組をして凝乎ぢつと考へ込む態をする。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「驚ろいたな。没分暁わからずやで強情なんだから仕方がない。御前の学校じゃ論理学を教えないのか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかもその悪戯者がはたして誰であるにしましても、ともかく世間には今もって、本当にそんなことを思っている無理解者わからずやが少くないのであります。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
しかしながら、私の行動を変な目をもってみたものは、必ずしも世間の無理解者わからずやのみではありませんでした。いわゆる部落の人々からも、何かためにするのではないかと疑われたことも度々あります。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
小児せうにの如くタワイなく、意気地いくぢなく、湾白わんぱくで、ダヾをこねて、あそずきで、無法むはふで、歿分暁わからずやで、或時あるときはおやま大将たいしやうとなりて空威張からゐばりをし
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
かせぐものあればあそぶ者ありめる者あればふ者あるが即ち実相じつさうなればおの一人ひとり勝手かつて出放題ではうだいをこねつけてかほをするは云はふやうなき歿分暁漢わからずや言語同断ごんごどうだんといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
沒分曉わからずやの批評家は、徹頭徹尾現實には縁遠い、物語の作者だと思つてゐるが、斯くの如きは誤れる事甚しいもので、たまたま久保田君の選擇する社會の一斷面が、將來に連續する現在でなくて
カピ長 うゝ、御坊ごばうかげで、ちと料簡れうけんなほりをらうわい。氣儘きまゝな、沒分曉的わからずや賤婦あまっちゃめぢゃ。
こんな没不暁漢わからずやにかかっては何とも仕方がありませんて! とうとう主事も、これは手ぬるい手段では駄目だと思ったのですよ。そこで、『よろしい!』と主事が言いました。
働きのない没情漢わからずやと見限って、口先ばかりで人間並みのあしらいをしていたのだ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
かういふ身分が気に入らず、このままに御介抱申し上げたが、済まぬと夫が申すなら、それは先方から違えまする、道はこちらの知らぬ事。よも春衛とてそれ程の、没理漢わからずやではござんすまい。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
それは仕方が無いとあきらめるから、お前は何もないで宜いから唯横町の組だといふ名で、威張つてさへくれると豪気がうぎ人気じんきがつくからね、己れはこんな無学漢わからずやだのにお前はものが出来るからね
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
威張つてさへ呉れると豪氣に人氣じんきがつくからね、己れは此樣な無學漢わからずやだのにお前はものが出來るからね、向ふの奴が漢語か何かで冷語ひやかしでも言つたら、此方も漢語で仕かへしておくれ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)