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りやうゐき
各所の
太鼓の
音が
興味は
却て
此れからだといふ
樣に
沈んだ
夜を
透して一
直線に
響いて
來る。
唄の
聲は
遠く
近く
聞える。
夜は
全く
踊るものゝ
領域に
歸した。
この不氣味な蒼白い
領域に、私は、私だけの想像を
逞しくした。
相互に
其の
權能を
越えて
他の
領域を
冒す
時其處には
必ず
葛藤が
伴はれる
筈でなければ
成らぬ。
若者は
相聚まれば
皆不平の
情を
語り
合うて、
勝手に
勘次を
邪魔なこそつぱい
者にして
居た。