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まへさん
年紀は
若し、お
前様、
私は
真赤になつた、
手に
汲んだ
川の
水を
飲みかねて
猶予つて
居るとね。
あい……
旦那様お
有難うございます。と
可愛らしい手を
突いて、
頸を横にして
挨拶をします
挙動が手の
突きやうから、
辞儀の
仕方がなか/\
叮嚀でげす。主「ンー……お
前様も
何んだらうね……。 ...
「かうやつて、かう
挽いてるんだぜ、
木挽の
小僧だぜ。お
前樣はおかみさんだらう、
柳屋のおかみさんぢやねえか、それ
見ねえ、
此方でお
辭儀をしなけりやならないんだ。ねえ、」
「だつてお
前樣はお
客樣ぢやあないかね、お
客樣なら
私ン
處の
旦那だね、ですから、あの、
毎度難有う
存じます。」と
柳に
手を
縋つて
半身を
伸出たまゝ、
胸と
顏を
斜めにして、
與吉の
顏を
差覗く。