“まえさま”の漢字の書き方と例文
語句割合
前様100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又八どの、此度このたび、御縁の候て、当方の養子にもらいうけ候に就いては、おん前様まえさまのこと、懸念のようにみえ候まま、左候さそうろうては、ゆく末、双方の不為故ふためゆえ事理ことわけおあかし申し候て、おもらい申候。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前様まえさまア丹波屋でまんまアたべて居たが、雨たんと降らねえうち段々人が出て来たが、まだ沢山客がえうちうらと此の鹿はちはすけえに並んで飯たべて居ると、お前様ア斯う並んで酒え呑んで
「根ツからゐさつしやらぬことはござりますまいが、日は暮れまする。何せい、御心配なこんでござります。お前様まえさま遊びに出します時、帯のむすびめをとんとたたいてやらつしやればいに。」
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)