“ほんばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
本箱55.6%
書箱16.7%
書函5.6%
書庫5.6%
書笈5.6%
本筥5.6%
西洋書箱5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祖母おばあさんがおよめにときふる長持ながもちから、お前達まへたち祖父おぢいさんのあつめた澤山たくさん本箱ほんばこまで、そのくらの二かいにしまつてりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
書箱ほんばこの中に並べ立てゝ、それをじっと眺めてさえいれば、それでお前が、私に言って責めるように、「今に良くなるだろう。」と安心しているほどの分らず屋ではなかったが
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
机のかたわらに押立たは二本だち書函ほんばこ、これには小形の爛缶ランプが載せてある。机の下に差入れたはふちの欠けた火入、これには摺附木すりつけぎ死体しがいよこたわッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
落着かれぬままに文三がチト読書でもしたら紛れようかと、書函ほんばこの書物を手当放題に取出して読みかけて見たが、いッかないかな紛れる事でない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
清三もこれに励まされて、いろいろなしょを読んだ。主僧に頼んで、英語を教えてもらったり、その書庫ほんばこの中から論理学や哲学史などを借りたりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
机と書笈ほんばこ夜具やぐ人力車くるませて笠のこわれた洋灯らんぷを君が手に持って書生の引越のように車の後からいて来ればそれで済むだろう。マアともかくも一遍ってその家を見て来給え。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それでも余った札束や銀貨の棒は、片っ端から押入れの隅にある本筥ほんばこの抽出しに投げ込んだ。
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
客間兼帯の書斎は六畳で、ガラスのまった小さい西洋書箱ほんばこが西の壁につけて置かれてあって、くりの木の机がそれと反対の側にえられてある。
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)