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びせうねん
然るに
全校の
人氣、
校長教員を
始め
何百の
生徒の
人氣は、
温順しい
志村に
傾いて
居る、
志村は
色の
白い
柔和な、
女にして
見たいやうな
少年、
自分は
美少年ではあつたが、
亂暴な
傲慢な
男の
裾を
見出ししかば、ものをも
言はず
一嘴、
引咬へて
撥ね
飛ばせば、
美少年はもんどり
打つて、
天上に
舞上り、
雲雀の
姿もなかりしとぞ。
垣ごしにさし
出す
我が
團扇、
取んと
見あぐれば
恥かしゝ
美少年、
引かんとする
團扇の
先一寸と
押へて、
思ひにもゆるは
螢ばかりと
思し
召すかと
怪しの
一言、
暫時は
糸子われか
人か