“とち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
土地53.1%
29.6%
13.4%
七葉樹2.2%
0.6%
境地0.6%
都会0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、海蔵かいぞうさんがいいました。そばにてみると、それはこの附近ふきん土地とちっている、まちとしとった地主じぬしであることがわかりました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「ああ、おいらもそう思って、北国街道ほっこくかいどうから、雪のふるとちとうげをこえて、この京都へきたけれど……まだ鷲のかげさえも見あたらない」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、どうしたことか、伝六が急にぽろぽろととちのようなやつをはふりおとしていたようでしたが、突然妙なことをいいました。
片側道一杯に、日覆いになるほどに、のさばっている七葉樹とちやで、谷はだんだん暗くなる、その木の下闇を白く抜いて、水は蒼暗い葉のトンネルを潜って、石を噛んでは音を立てる、小さな泡が
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
これ粟稗あはひえなどにまぜ、又はとちばかりも食とす、又もちにもする也。(もちにする杤は別種なりとぞ)ならの実もくらふ、そのしかたは杤にたりとぞ。
○此地の人、上食はあはひえ小豆をもまぜくらふ。下食は粟糠あはぬかひえ乾菜ほしななどまじえて喰ふ、又とちしよくとす。
昼間こそ人々はき来したが、夜になるとほとんどだれも通らず、ただひたすら先を急いで迂回することをいとう人ばかりが、恐々こわごわながらもこの境地とちを、走るようにしてとおるばかりであった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「しっとりした都会とちで、住んだら、住みよいところで、離れにくいそうやが——」
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)