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たちまは
小利口にきび/\と
立𢌞る、
朝は
六つ
前から
起きて、
氣輕身輕は
足輕相應、くる/\とよく
働く
上、
早く
江戸の
水に
染みて
早速に
情婦を
一つと
云ふ
了簡から、
些と
高い
鼻柱から
手足の
爪まで
此立𢌞りの
間にマーキューシオーはチッバルトに突かるゝ。
葛籠の
蓋を
取つたり、
着換の
綻を
檢べたり、……
洗つた
足袋を
裏返したり、
女中を
買ものに
出したり、
何か
小氣轉に
立𢌞つて
居たと
思ふと、
晩酌に
乾もので
一合つけた
時、
甚だ
其の
見事でない