“そこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソコウ
語句割合
素行33.3%
溯江15.4%
遡航12.8%
遡行12.8%
溯行5.1%
粗肴5.1%
遡江5.1%
沮鵠2.6%
粗鉱2.6%
麁獷2.6%
麁稿2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僧一 唯円殿のお言葉ですが、善鸞ぜんらん様は放蕩ほうとうにて素行そこうの修まらぬ上に、浄土門の信心に御反対でございます。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
私は溯江そこうの汽船へ三艘乗った。上海から蕪湖までは鳳陽丸、蕪湖から九江キュウキャンまでは南陽丸、九江から漢口ハンカオまでは大安丸である。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その本流と付知つけち川との合流点を右折して、その支流一名みどり川を遡航そこうするふなべりに、早くも照り映ったのはじつにその深潭しんたん藍碧らんぺきであった。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
だが潮にまかせて遡行そこうするいかだのことであるから、速力はいたってにぶかった。その日は中途ちゅうとで一ぱくし、一同は富士男の桃太郎物語などをきいて愉快ゆかいにねむりについた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
彼にとって、それはなにか信じられぬほど遠くて、タイム・マシンにでも乗って溯行そこうしなければ手に入らぬ、古い昔の記憶の中で朽ち果てかけている言葉だった。彼は現在の自分を見た。
赤い手帖 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
「今日、荊州へご帰還あるという劉皇叔りゅうこうしゅくにおわさずや。遠路の途中をおなぐさめ申さんがため、いささか粗肴そこうと粗酒を献じたく、これまでお迎えに出たものです。何とぞお納めをねがいたい」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一朝、時来れば黄祖こうそを平げ、荊州けいしゅうの劉表を征伐し、一挙に遡江そこうの態勢を拡大して行く。曹操はつねに河北の攻防に暇なく、呉の進出を妨げることはできません
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、邯鄲かんたんの敵とまみえて、大激戦は展開されたが、沮鵠そこうの大布陣も、ついに潰乱かいらんのほかはなかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、察して、袁尚へ献言し、まずげきを武安の尹楷いんかいに送って、毛城もうじょうに兵を籠め、兵糧をよび寄せ、また沮授そじゅの子の沮鵠そこうという者を大将として、邯鄲かんたんの野に大布陣をしいた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(うん。あの女の人は孫娘まごむすめらしい。亭主ていしゅはきっと礦山こうざんへでも出ているのだろう。)ひるの青金あおがね黄銅鉱おうどうこう方解石ほうかいせき柘榴石ざくろいしのまじった粗鉱そこうたいを考えながら富沢は云った。女はまた入って来た。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼らの頭脳の組織は麁獷そこうにしてさとり鈍き事その源因たるは疑うべからず
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ブラブラと日を送るから昨年の「猴に関する民俗と伝説」も麁稿そこうは完成しながら容易に清書せず忘れてしまい、歳迫ってようやく気が付き清書に掛かったが間に合わず