“こうでん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウデン
語句割合
香奠74.5%
香典5.5%
公田3.6%
功田3.6%
閧伝3.6%
後殿1.8%
曠田1.8%
皎殿1.8%
耕田1.8%
荒田1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして二つの白い棺の前にうやうやしく礼拝らいはいしたのち、莫大な香奠こうでんを供えた。彼がそのまま帰ってゆこうとするのを、人々はたって引留めた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
「男類、女類、猿類、いや、女類、男類、猿類の順か、いや、猿類、男類、女類かな? いや、いや、猿類、女類、男類の順か。ああ、痛え。乱暴はいかん。猿類、女類、男類、か。香典こうでん千円ここへ置いて行くぜ。」
女類 (新字新仮名) / 太宰治(著)
大炊寮おおいりょう廩院りんいんでは、財務官たちが、青くなって、全国の庄家しょうけ(荘園役所)にたいし、私田、公田こうでんの徴税と輸送とを、督促するのに、眼のいろを変えていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分は位田功田こうでん職田の類が、自ら耕作するを許さざるほどの広大な面積にわたるものである限り、必ず収穫五分の一の小作料をもってその収入としたに相違ないと考える。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
此事閧伝こうでんしてつひ主君しゆくんざうとなりしとかたられき。
民選議院論派は第一期の政論派の後殿こうでんとして興り、第二期の政論派たる過激論派の先駆をなせり、吾輩はこの両期の続目においてかの政論史上記臆すべき一の出来事を略叙せざるべからず。
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
きのう電車ではしって来た沿線の曠田こうでんの緑と蓮池はすいけ薄紅うすべにとがはるか模糊もことした曇天光どんてんこうまで続いて、ただ一つの巒色らんしょくの濃い、低い小牧山が小さく鬱屈うっくつしている。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
今はよく晴れて、沼を囲んだ、樹の袖、樹のすそが、おおいなる紺青こんじょうの姿見をいだいて、化粧するようにも見え、立囲った幾千の白い上﨟じょうろうが、瑠璃るり皎殿こうでんめぐり、碧橋へききょうを渡って、風に舞うようにもながめられた。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
客は荒田こうでんと近ごろすきを入れた畠との間を、拾うようにして進まなければならなかった。チチコフはそろそろ疲れを覚えはじめた。ともすれば足の下からじくじくと水の浸み出すような箇所ところが多かった。