“こうしょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苟且15.8%
公書10.5%
講書10.5%
黄初10.5%
口書10.5%
高処10.5%
好処5.3%
好所5.3%
狎処5.3%
狎書5.3%
藁書5.3%
高所5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「御気の毒だね」よりほかの語が出て来なかったのである、正直なる余は苟且こうしょにも豪傑など云う、一種の曲者と間違らるるを恐れて、ここにゆっくり弁解しておくなり
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「なに、ではそこもとが、公書こうしょのお使者番ししゃばんとなってまいられた星川どのか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
講書こうしょ、弓馬の師匠ししょうもつけて、珠の如く守り育てていたのである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄初こうしょ年中に或る人が馬に乗って頓邱とんきゅうのさかいを通ると、暗夜の路ばたに一つの怪しい物がころがっていた。
それ/″\の口書こうしょを以て時の御老中の筆頭土井大炊頭どいおおいのかみ様へ伺いになりましたから、御老中青山下野守あおやましもつけのかみ様、阿部備中守あべびっちゅうのかみ様、水野出羽守みずのでわのかみ様、大久保加賀守おおくぼかゞのかみ様と御評議の上
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
暗くなっては敵をいっするおそれがあるので、一時も早くからめ捕ってしまおうと、御用の勢は、各自手慣れの十手を円形につき突けて——さて、駈けあがろうとはあせるものの、高処こうしょの左剣
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし顔淵の好処こうしょただにこれのみではない。「回之為人也かいのひととなりや択乎中庸ちゅうようをえらび得一善いちぜんをうれば則拳拳服膺すなわちけんけんふくようして而弗失之矣これをうしなわず」というのがこれである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
馬鹿律義ばかりちぎなものに厭味いやみいた風もありようはない。そこに重厚な好所こうしょがあるとすれば、子規の画はまさに働きのない愚直ものの旨さである。
子規の画 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
きずを療じた後、これ我が表姪王二姐とて、生まれ付いた無性人で夫にわれたとこの頃知ったから妻の伴とし置くと称し、昼は下女同然にまかなわせ使い、夜はすなわち狎処こうしょした。
加うるに性来の図々ずうずうしさをもって、御迷惑を省みず、狎書こうしょを差し上げる次第です。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しかも従容として運命の迫るのを直視していた其の態度の美が彼の比類無い行草の藁書こうしょ類に歴々と見られる。
書について (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
仲之町夜桜のさかりとても彼は貧しげなる鱗葺こけらぶきの屋根をば高所こうしょより見下したるあいだに桜花のこずえを示すにとどまり、日本堤にほんづつみは雪にうもれし低き人家と行き悩む駕籠の往来おうらい
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)