“がんしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ガンショウ
語句割合
岩礁40.0%
翫賞12.0%
岩峭8.0%
岩漿8.0%
玩賞8.0%
含笑4.0%
巌松4.0%
巌牆4.0%
巌礁4.0%
癌症4.0%
眼漿4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっともこの辺り海峡一帯には、島とも岩礁がんしょうともつかない物だの、六連むつれ藍島あいじま白島しろじまなど幾らもあるので、特に目にも入らなかったのであろう。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
骨董こっとう趣味とは主として古美術品の翫賞がんしょうに関して現われる一種の不純な趣味であって、純粋な芸術的の趣味とは自ずから区別さるべきものである。
猿のさけびが掻消かききえると、ぐわっ——と谷底の鳴るのが逆しまに、顔をふきあげてくる。そそり立っている岩峭がんしょうつかってくる冷たい風と、渓川たにがわのうなりである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが其を玩賞がんしょうしていた折から、ふと手を滑らせて其茶碗を落した。すると流石さすが大々名でもハッと思うて胸ドッキリと心が動いた。そこで政宗は自らじ自ら憤った。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
れ馬琴が腔子裏こうしりの事なりといえども、かりに馬琴をして在らしむるも、が言を聴かば、含笑がんしょうして点頭てんとうせん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼を巌松がんしょうわしと見れば、これは飛湍ひたんはやぶさにも似た春日重蔵は、敵より遥かに短い小太刀を片手青眼に一直にして、体は変化自由の斜めにひらき、星より澄んだ双眸の睫毛まつげまたたかせず
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
読者諸君! 孝子は巌牆がんしょうもとに立たずといにしえの聖人がいった、親のあるものは自重せねばならぬ、兄弟姉妹のあるもの、先輩のあるものは自重せねばならぬ
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
荒海の巌礁がんしょうみ、うろこ鋭く、面顰つらしかんで、はたが硬い。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ある食道狭窄しょくどうきょうさくの患者は病院には這入はいっているようなものの迷いに迷い抜いて、灸点師きゅうてんしを連れて来て灸をえたり、海草かいそうって来てせんじて飲んだりして、ひたすら不治の癌症がんしょうなおそうとしていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まっ黒なオレの眼漿がんしょうが空間に
日本が見えない (新字新仮名) / 竹内浩三(著)