“かたぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタギ
語句割合
気質55.5%
堅気28.0%
氣質5.5%
堅氣4.3%
堅木2.4%
形気1.6%
堅儀1.2%
堅實0.8%
形儀0.4%
形木0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
構わず談じようじゃあねえか、十五番地の差配おおやさんだと、昔気質かたぎだからいんだけれども、町内の御差配ごさいはいはいけねえや。羽織袴でステッキ
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今は堅気かたぎのおかみさんでも、若い時にゃあ泥水を飲んだ女じゃあないかと思われました。木綿物じゃあありますが、小ざっぱりしたなり
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
外記 命が惜いと申したら、むかし氣質かたぎの叔父樣は、ひとかたならぬ御立腹であつたが、家の爲や親類縁者のために、命を捨てろといふのは無理な註文。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
笑ひながら店先へ腰を掛けたのは四十二三の痩せぎすの男で、縞の着物に縞の羽織を着て、だれの眼にも生地きぢ堅氣かたぎとみえる町人風であつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
堅木かたぎきゅうがたに切り組んで作ったその玄関のゆかは、つるつる光って、時によるとれない健三の足を滑らせた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは無論親父には内証だつたのだが、当座はしきつて帰りたがつた娘が、後には親父の方から帰れ帰れ言つても、帰らんだらう。その内に段々様子が知れたもので、侍形気かたぎの親父は非常な立腹だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
芸者とも令嬢とも判断のつき兼ねる所はあるが、連れの紳士の態度から推して、堅儀かたぎの細君ではないらしい。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
嫁入りさきがあんまり堅實かたぎな大家なので、嚴しくて、放縱はうじゆうな家庭からつてお腹がすいてすいて堪らず、ないしよで食べものをつまんで、口へ入れたときに呼ばれたので
「郭子儀」異変 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
その勝利の宴を賜つた夜のことと思召おぼしめされい。当時国々の形儀かたぎとあつて、その夜も高名かうみやうな琵琶法師が、大燭台の火の下に節面白うげんを調じて、今昔いまむかしの合戦のありさまを、手にとる如く物語つた。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて一間ひとまを出で立ち給ふ小松殿、身には山藍色やまあゐいろ形木かたぎを摺りたる白布の服を纏ひ、手には水晶の珠數を掛け、ありしにも似ず窶れ給ひし御顏にゑみを含み
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)