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えんちやう
むかし
二延長の頃、
三三井寺に
四興義といふ僧ありけり。絵に
巧なるをもて
五名を世にゆるされけり。
嘗に
画く所、
仏像山水花鳥を
六事とせず。
勘次は
目を
掩はれたやうで
心細い
霧の
中に、
其麽ことで
著しく
延長された
水路を
辿つて
居ながら、
悠然として
鈍い
棹の
立てやうをするのに
心を
焦慮らせて
休屋の
山に一
座且聳えて
巌山に
鎮座する十
和田神社に
詣で、
裏岨になほ
累り
累る
嶮しい
巌を
爪立つて
上つた
時などは……
同行した
画工さんが、
信の
槍も、
越の
剣も、
此を
延長したものだと
思へ