延長えんちやう)” の例文
むかし延長えんちやうの頃、三井寺に興義こうぎといふ僧ありけり。絵にたくみなるをもて名を世にゆるされけり。つねゑがく所、仏像ぶつざう山水さんすゐ花鳥くわてう事とせず。
勘次かんじおほはれたやうで心細こゝろぼそきりなかに、其麽そんなことでいちじるしく延長えんちやうされた水路すゐろ辿たどつてながら、悠然ゆつくりとしてにぶさをてやうをするのにこゝろ焦慮あせらせて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
休屋やすみややまに一かつそびえて巌山いはやま鎮座ちんざする十和田わだ神社じんじやまうで、裏岨うらそばになほかさなかさなけはしいいは爪立つまだつてのぼつたときなどは……同行どうかうした画工ゑかきさんが、しんやりも、えつつるぎも、これ延長えんちやうしたものだとおも
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)