“えりくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エリクビ
語句割合
襟首52.0%
襟頸24.5%
頸首7.8%
衿首5.9%
領首4.9%
衿頸2.0%
領頸1.0%
頚首1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なおも並木で五割酒銭さかては天下の法だとゆする、あだもなさけも一日限りの、人情は薄き掛け蒲団ぶとん襟首えりくびさむく、待遇もてなしひややかひらうち蒟蒻こんにゃく黒し。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼は昂然かうぜんとゆるやかに胸をらし、踏張つて力む私の襟頸えりくびと袖とを持ち、足で時折りすくつて見たりしながら、実に悠揚いうやう迫らざるものがある。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
夏の夜は蚊が多かった。蒲団扇かばうちわを動かして槐樹の下に坐り、茂り葉の隙間から、あの一つ一つの青空を見ていると、晩手おくて槐蚕やままゆがいつもひいやりの頸首えりくびの上に落ちる。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
かっとなった資行判官は、つかつかと文覚に近寄ると衿首えりくびつかんで外へ突き出そうとした。
そう云いながら見ると、新九郎の額には大粒の汗がふき出して、たらたらと領首えりくびの方へ流れている。
蕗問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と力まかせに新九郎の衿頸えりくびを突ッ放しておいて、ぽんと一歩退さがった小六が、腰をひねった途端に抜きかざした大刀、あわやと見る間に新九郎目がけて真ッ向うに斬り下げて来た。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盲擲めくらなぐりで拳固を振廻すを、幸兵衞は右にけ左にかわし、くうを打たして其の手を捉え捻上ねじあげるを、そうはさせぬと長二は左を働かせて幸兵衛の領頸えりくびを掴み
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
芳太郎はそこにあった盃洗はいせんを取って投げつけるし、お庄は胸から一杯に水を浴びながら、橋廊下の方へ逃げて行って、手帕ハンケチ頚首えりくびなどを拭いていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
きのうはしらみえりくびわせ、きょうは一浴に王者の快を思う。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)