“うすば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄刃43.8%
薄翅18.8%
薄刄12.5%
臼場6.3%
臼歯6.3%
薄羽6.3%
薄齒6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「だってあの男は、事件の室から出て来たのだろう。そして薄刃うすばの短刀をもって君に切り懸ったのじゃないか」
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
照る月の夜空にまよふあるかなき薄翅うすばかげろふの尾は引きにけり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「もう大丈夫でございます。幸ひ眼の玉ははづれたし、頬のきずも大したことではない、——刄物は左樣、刀やのみのやうなものではない、薄刄うすば剃刀かみそりかな、切出しかも知れないが眼にも肉にも骨にも、大したさはりはない」
自作農にも小作人こさくにんにも、生産の労働は玄米俵入げんまいたわらいれ、すなわち臼場うすばの仕事の終りまで続くので、だからまた臼じまい、庭仕舞にわじまいの祝というものが始まったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たくさんの哺乳ほにゅう動物の遺骨の中から一本の奥歯を発見したのであるが、それがすなわち先に言うところの五十万年前の人間がのこして死んだ臼歯うすばの一きれである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
徐家じょけ薄羽うすばよろいといえば、余りにも有名なので、諸侯の武門や将軍から一見をわれたり、ぜひ譲り受けたいなどの交渉は一再でなく、わけても大将軍花児王かじおうからは、ぜに三万貫の値さえつけて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
電車でんしや終點しゆうてんからあるくと二十ぷんちかくもかゝやま奧丈おくだけあつて、まだよひくちだけれども、四隣あたり存外ぞんぐわいしづかである。時々とき/″\おもてとほ薄齒うすば下駄げたひゞきえて、夜寒よさむ次第しだいしてる。宗助そうすけ懷手ふところでをして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)