“薄刄(うすば)” の例文
何より驚く可きは、戸締りや錠前を、紙の如く切り破る手際で、門は乘越え、錠前は捻(ね)ぢ切り、棧(さん)や輪鍵は、薄刄(うすば)の凄い刄物で外から綺麗に切取つて、コトリとも音を立てないのです。
「もう大丈夫でございます。幸ひ眼の玉は外(はづ)れたし、頬の疵(きず)も大したことではない、——刄物は左樣、刀や鑿(のみ)のやうなものではない、薄刄(うすば)の剃刀(かみそり)かな、切出しかも知れないが眼にも肉にも骨にも、大したさはりはない」