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いがく
ぼくが、はじめ
医学を
勉強していたことは、きみも知っているとおりだ。その
後、ふとしたことから医学を
研究することをよして、
物理学にうつったんだ。
阿倍の
家に
昔から
伝わって、だれも
読む
者のなかった
天文、
数学の
巻き
物から、
占いや
医学の
本まで、
何ということなしにみな
読んでしまって、もう十三の
年には
自分が
大學にゐた
時分は、
醫學も
猶且、
錬金術や、
形而上學などと
同じ
運命に
至るものと
思ふてゐたが、
實に
驚く
可き
進歩である。
が、アンドレイ、エヒミチは
父の
言ではあるが、
自分は
是迄醫學に
對して、
又一
般の
專門學科に
對して、
使命を
感じたことは
無かつたと
自白してゐる。
醫學の
原則は、
醫者等をして
貴方に
實を
云はしめたのです。
然しながら
私は
軍人風に
眞向に
切出します。
貴方に
打明けて
云ひます、
即ち
貴方は
病氣なのです。