“あしもと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
足許55.4%
足下21.5%
脚下16.0%
足元5.2%
脚元1.3%
脚許0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向う岸で法螺ほらの貝を吹き出すと、やがてこちらでも、いつのまにか、田山白雲のつい足許あしもとから同じ貝の音がすさまじく響き出しました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
風がはげしくなり、足下あしもとくもがむくむくとき立って、はるか下の方にかみなりの音までひびきました。王子はそっと下の方をのぞいてみました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
小学校の教師か巡査かとでも云う物ごしであった。彼はその脚下あしもとに置いてある魚籃を覗いて見た。そこには五六尾の沙魚が入っていた。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『あなたは、こんな神聖しんせい境地ところ立派りっぱ御修行ごしゅぎょうわたくしなどはとても段違だんちがいで、あなたの足元あしもとにもりつけはしませぬ……。』
わしが、恟々おどおどと、お脚元あしもと間近まで、はい上がってゆくと、びしゃりと、猿殿はわしの背中を鉄扇で一つ叩いていわれた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呼吸いきかず、続けざまに急込せきこんだ、自分の声に、町の中に、ぬい、と立って、杖を脚許あしもと斜交はすっかいに突張つッぱりながら、目を白く仰向あおむいて、月に小鼻を照らされた流しの按摩が、呼ばれたものと心得て
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)