脚元あしもと)” の例文
峯「構うたって、そんなら中の条で云やア何うにでもなるに、人を馬鹿にしやアがって、女連だと思って脚元あしもとを見やアがって」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしが、恟々おどおどと、お脚元あしもと間近まで、はい上がってゆくと、びしゃりと、猿殿はわしの背中を鉄扇で一つ叩いていわれた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度ちやうど二人が上に居て燈籠の脚元あしもとへ腰を掛けて居ます時に、突然わあつと云ふ声がして、ばらばらときたない物が寄つて来ました。それは乞食なのです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ちょうど、その書物をぬき出すとたんに、オパール色の一通の封書が妾の脚元あしもとへ落ちてきた。もちろん封は切ってあった。妾は何の気もなしに、それを拾いあげて全く偶然に、中味をひき出して見た。