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鮫鞘
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さめざや
ふりがな文庫
“
鮫鞘
(
さめざや
)” の例文
古風に
揷
(
さし
)
たり
袋棚
(
ふくろだな
)
の戸二三寸明し中より
脇差
(
わきざし
)
の
鐺
(
こじり
)
の見ゆれば吉兵衞は
立寄
(
たちより
)
て見れば
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差なり手に
取上
(
とりあげ
)
鞘
(
さや
)
を拂て見るに只今人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いまさら、と思われたのに、親分がののしりながら、
鮫鞘
(
さめざや
)
を抜き払って、笑止にも切ってかかろうとしたので、ダッと草香流。
右門捕物帖:21 妻恋坂の怪
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
三十がらみで
撥髪
(
ばちびん
)
頭、桜花を散らせた
寛活
(
かんかつ
)
衣裳、
鮫鞘
(
さめざや
)
の一腰落し差し、一つ印籠、駒下駄穿き、眉迫って鼻高く、デップリと肥えた人物である。
二人町奴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
関東
縞
(
じま
)
の
袷
(
あわせ
)
に、
鮫鞘
(
さめざや
)
の
長脇差
(
ながわきざし
)
を
佩
(
さ
)
して、
脚絆
(
きゃはん
)
草鞋
(
わらじ
)
で、厳重な足ごしらえをした忠次は、
菅
(
すげ
)
のふき下しの笠を
冠
(
かぶ
)
って、先頭に立って、威勢よく歩いていた。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
いきなり
奈良茂
(
ならも
)
の側にあつた
鮫鞘
(
さめざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
を
引
(
ひつ
)
こぬいて、ずぶりと向うの胸へ
突
(
つつ
)
こんだんだ。
南瓜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
夜になって、
四隣
(
あたり
)
が静まると、母は帯を
締
(
し
)
め直して、
鮫鞘
(
さめざや
)
の短刀を帯の間へ差して、子供を細帯で背中へ
背負
(
しょ
)
って、そっと
潜
(
くぐ
)
りから出て行く。母はいつでも
草履
(
ぞうり
)
を穿いていた。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうそう、それにまだ、凄く切れ味のよさそうな
鮫鞘
(
さめざや
)
の
戒刀
(
かいとう
)
までがありますしね。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
提
(
さげ
)
半
合羽
(
かつぱ
)
の穴より
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差を顯はし
水晶
(
すゐしやう
)
の
長總
(
ながふさ
)
の
珠數
(
じゆず
)
を首に懸し一
個
(
こ
)
の男
來懸
(
きかゝ
)
りしが此
容子
(
ようす
)
を見るより物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小袖は
無垢
(
むく
)
で袖口は細い、ゆきも長く紋は細輪、そうして襦袢は五分長のこと、下着は白糸まじりの黒八丈、中着は新形の小紋類、そうして下駄は黒塗りの足駄、大小は極上の
鮫鞘
(
さめざや
)
で
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何のそれがしという親分にちがいないつらだましい
精悍
(
せいかん
)
な一人が、羽織の長いひもを、いかにも遊び人ふうに首へかけながら、
鮫鞘
(
さめざや
)
の大わきざしをぶっさして、つづらをさしずしながら
右門捕物帖:21 妻恋坂の怪
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
着
鮫鞘
(
さめざや
)
の大
脇差
(
わきざし
)
を帶し
晒
(
さらし
)
の手拭を首に
捲付
(
まきつけ
)
門口へ出て何も
太儀
(
たいぎ
)
今度は此の藤八が一世一代命を
的
(
まと
)
の願ひ
筋
(
すぢ
)
娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
結城
(
ゆうき
)
の衣装に
博多
(
はかた
)
の帯、
鮫鞘
(
さめざや
)
の長脇差を差している。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鮫
漢検準1級
部首:⿂
17画
鞘
漢検準1級
部首:⾰
16画
“鮫鞘”で始まる語句
鮫鞘卷
鮫鞘巻