“さめざや”の漢字の書き方と例文
語句割合
鮫鞘100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
関東じまあわせに、鮫鞘さめざや長脇差ながわきざしして、脚絆きゃはん草鞋わらじで、厳重な足ごしらえをした忠次は、すげのふき下しの笠をかぶって、先頭に立って、威勢よく歩いていた。
入れ札 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いきなり奈良茂ならもの側にあつた鮫鞘さめざや脇差わきざしひつこぬいて、ずぶりと向うの胸へつつこんだんだ。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
夜になって、四隣あたりが静まると、母は帯をめ直して、鮫鞘さめざやの短刀を帯の間へ差して、子供を細帯で背中へ背負しょって、そっとくぐりから出て行く。母はいつでも草履ぞうりを穿いていた。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)