魔術まじゅつ)” の例文
「あのくろ着物きものをきたおんなは、なんというすごいほどうつくしいおんなだろう。そして、魔術まじゅつ使つかう。」といって、おどろいてうわさをしました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
明日あしたはどうしても浅草へ行きたい。今日の新聞の広告に出て居た、「露国ろこく美人メリー嬢の魔術まじゅつ」と云うのを見に行きたい。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
金十五仙なりを払って、魔術まじゅつの街の入口の真暗い部屋に入り、その部屋をぬけると、長い廊下ろうかがありました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
ミスラ君は永年印度の独立を計っているカルカッタ生れの愛国者で、同時にまたハッサン・カンという名高い婆羅門ばらもんの秘法を学んだ、年の若い魔術まじゅつの大家なのです。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
実際は灰色はいいろでも野は緑に空はあおく、世の中はもう夏のとおりでした。おばあさんはこんなふうで、魔術まじゅつでも使える気でいるとたいくつをしませんでした。そればかりではありません。
がまがなめくじに魔術まじゅつをほどこしたごとく、じゅうぶんかれの気をのんでしまった竹童は、やがて、一しゃく二尺と梁の上をはいわたって、蛾次郎がじろうのすぐ脳天のうてんのところへ片足かたあしをブランとらした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは魔術まじゅつではないかと、箱の中をすみから隅までさぐるお客も多かった。
透明猫 (新字新仮名) / 海野十三(著)
魔術使まじゅつつかいのっている馬車ばしゃだから、どんな魔術まじゅつ使つかって、姿すがたしたのかもしれない。」といったものもありました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、ぼくの気持通りに書いてくれた、記者さんの御好意に感謝はしましたものの、今更のようにジャアナリズムの魔術まじゅつあきれたものです。ぼくの寸言も真実、しゃべったものではありませんでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
電球でんきゅう魔術まじゅつ
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ああ、わたしは、そんなところを、どれほど、さがしていたでしょう。しかし、わたし魔術まじゅつでも、それをあらわすだけのちからがなかったのです。」と、奇術師きじゅつしはいいました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちいさな天使てんしは、しばらくかんがえていましたが、魔術まじゅつで、少年しょうねんちいさくちいさくしてしまいました。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのおんなは、なんでも、魔術まじゅつをインドじんからおそわったということです。人間にんげんをはとにしたり、からすにしたり、また、はとをさらにしたり、りんごにしたりする不思議ふしぎじゅつっていました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
魔術まじゅつで、うみねむらした。
海と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)