“餌料(ゑさ)” の例文
「座敷(ざしき)へ上(あが)つたら煙管(きせる)打(ぶ)つゝけたんだ。そんで俺(お)れ煙管(きせる)とつてやつたんだ」勘次(かんじ)は餌料(ゑさ)を撒(ま)いて鷄(とり)を聚(あつ)めて見(み)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
首筋(くびすぢ)の皮(かは)が擦(す)り剥(む)けて戸口(とぐち)に夥(したゝ)か血(ち)の趾(あと)を印(いん)しても執念(しふね)く餌料(ゑさ)を求(もと)めて止(や)まぬやうな形(かたち)でなければならぬ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一旦(たん)塒(とや)に就(つ)いた鷄(とり)が餌料(ゑさ)を見(み)てはみんな籃(かご)からばさ/\と飛(と)びおりてこツこツと鳴(な)きながら爪(つめ)で掻(か)つ拂(ぱ)き/\爭(あらそ)うて啄(つゝ)いた。勘次(かんじ)は遂(つひ)に鷄(とり)の數(かず)の不足(ふそく)して居(ゐ)ることを確(たしか)めざるを得(え)なかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)