領分りやうぶん)” の例文
備中びつちう一時あるとき越前ゑちぜん領土巡検りやうどじゆんけんやくを、主人しゆじん義景よしかげよりうけたまはり、供方ともかた二十にんばかりをれて、領分りやうぶんたみ状態じやうたいさつせんため、だゝる越前ゑちぜん大川おほかは足羽川あすはがはのほとりにかゝる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これでも藝能があるんだ、幾ら社會しやくわいがせゝこましくなつてゐると謂つても、俺の生活する領分りやうぶんくらゐ殘してあるだらう、然うよ、そして世間せけんを廣くして、自曲じいうの空氣を吸ふことにしやう。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
改め今度主人縫殿頭より使者の趣きは長門守殿御領分りやうぶん水呑村百姓名主九助一件に付用人共より各自方おの/\がたへの御用じやうまづ御披見ごひけん成れよと首に掛たる御用状を相渡せば外記げきは之を請取ふう押切て讀上るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その為に大衆文芸は興味本位——ならばまだしもい。興味以外のものを求めないやうになるのは考へものだと思つてゐる。大衆文芸家ももつと大きい顔をして小説家の領分りやうぶんへ斬りこんで来るがい。
亦一説? (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さゝくたらしを、ほう/\といてうまがつて、燒豆府やきどうふばかりを手元てもと取込とりこみ、割前わりまへときは、なべなか領分りやうぶんを、片隅かたすみへ、群雄割據ぐんゆうかつきよ地圖ちづごとしきつて、眞中まんなかうめざうもつを
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先來紀州殿きしうどの非分ひぶんなりといへども御三家の領分りやうぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
本多ほんだ長門守領分りやうぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)