青春せいしゆん)” の例文
あつ氣候きこう百姓ひやくしやうすべてをその狹苦せまくるし住居すまゐからとほさそうて、相互さうごその青春せいしゆんのつやゝかなおもかげ憧憬あこがれしめるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其上世間せけんの小説に青春せいしゆん時代の修辞には、多くの興味を持つてゐなかつた。代助の言葉が、三千代の官能にはなやかな何物をも与へなかつたのは、事実であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此の間、彼の頭に殘るやうな出來事と謂へば、ただ生母せいぼくなられた位のことであつた。それすら青春せいしゆんの血のゆる彼に取つては、些と輕い悲哀を感じた位のことで、決して左程さほどの打撃では無かつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
青春せいしゆんは泥柳だに持つものと知らざる如し寺児溝に住み
をさな心も青春せいしゆん
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
あゝ讃嘆さんたん青春せいしゆん
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼等かれらほとん冷却れいきやくしようとしつゝある肉體にくたいいづれの部分ぶぶんかにうしなはれんとしてほつちりとそのおもかげめて青春せいしゆん血液けつえきの一てきにはかいて彼等かれら全體ぜんたい支配しはいかつ活動くわつどうせしめたかとおもふやうに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)