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雞
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にわとり
ふりがな文庫
“
雞
(
にわとり
)” の例文
或る大きな活動写真の
撮影場
(
セット
)
に行って見ると、九官鳥、
鸚鵡
(
おうむ
)
、インコ、紅雀、カナリヤ、
雞
(
にわとり
)
なぞが籠に入れて備え付けてある。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
この点は
狗
(
いぬ
)
の声
雞
(
にわとり
)
の声を、異人種がどう聴くかということと比較して見ても解ることで、土地と時代には定まった一つの耳の働きがあるから
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
椰子の葉の粗い編目の間から、一羽の
牝雞
(
めんどり
)
が首を出してククーと鳴いた。此の
雞
(
にわとり
)
を届けるように頼まれたのだという。
南島譚:03 雞
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
雞
(
にわとり
)
の歩いている村の道を、二、三人物食いながら来かかる子供を見て、わたくしは土地の名と海の遠さとを尋ねた。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そうして、無言のままに再びそこを出て、家に飼ってある
雞籠
(
とりかご
)
のまわりを
繞
(
めぐ
)
ってゆくかと思うと、籠のうちの
雞
(
にわとり
)
が俄かに物におどろいたように
消魂
(
けたたま
)
しく叫んだ。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
権四郎爺は
雞
(
にわとり
)
の話を持出した。先ず森山の機嫌を取って置く必要があったからだ。
黒い地帯
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
雞
(
にわとり
)
が鳴いて女は帰って往った。帰る時
繍
(
ぬい
)
のある
履
(
くつ
)
を一つくれて言った。
蓮香
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
竹藪の向うの農家からときどき
長閑
(
のどか
)
な
雞
(
にわとり
)
の声が聞える。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
梅が香や
雞
(
にわとり
)
寝たる地のくぼみ
如行
(
じょこう
)
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「おふじ、
雞
(
にわとり
)
はたっしゃかい?」
鋳物工場
(新字新仮名)
/
戸田豊子
(著)
わかれせはしき
雞
(
にわとり
)
の下
士芳
(
とほう
)
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
東の空の白むとき
何故
(
なぜ
)
雞
(
にわとり
)
が
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
コロコロは本来狗を
喚
(
よ
)
ぶ言葉で、多分は「来よ」という語の改造であった。関東地方を始めとして、今でも
雞
(
にわとり
)
を喚ぶのにコロコロという処は多い。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
初夏の日かげは
真直
(
まっすぐ
)
に門内なる栗や
楝
(
おうち
)
の
梢
(
こずえ
)
に照渡っているので、垣外の路に横たわる若葉の影もまだ短く縮んでいて、
雞
(
にわとり
)
の声のみ勇ましくあちこちに聞える真昼時。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
製作品に就いても折々不審なことが現れるようになった。板に彫らせた
太陽模様図
(
カヨス
)
の
雞
(
にわとり
)
の絵が大分手を省いてある。
小神祠
(
ウロガン
)
の模型も、其の構造が少々実物と違うらしい。
南島譚:03 雞
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
雞
(
にわとり
)
が勇ましく歌っても、雀がやかましく
囀
(
さえず
)
っても、上州の空は容易に夢から醒めそうもない。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それ故にこそ卵と
雞
(
にわとり
)
との昔話、ないしはナルシッソスの神話にも比ぶべきこんな謎の歌を、いつの頃からともなく春来るごとに、野に出でて唱えていたのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
始めて引越して来たころには、近処の
崖下
(
がけした
)
には、
茅葺
(
かやぶき
)
屋根の家が残っていて、
昼中
(
ひるなか
)
も
雞
(
にわとり
)
が鳴いていたほどであったから、鐘の
音
(
ね
)
も今日よりは、もっと度々聞えていたはずである。
鐘の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
母は勝手元に
火焚
(
ひた
)
き
水汲
(
みずく
)
みまたは片付け物に
屈托
(
くったく
)
をしている間、省みられざる者は土間の猫
雞
(
にわとり
)
、それから窓に立ち軒の柱にもたれて、雲や丘の樹の
取留
(
とりと
)
めもない景色を
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
台所前の
井戸端
(
いどばた
)
に、ささやかな
養雞所
(
ようけいじょ
)
が出来て毎日学校から帰ると
雞
(
にわとり
)
に
餌
(
え
)
をやる事をば、非常に面白く思って居た処から、其の上にもと、無理な
駄々
(
だだ
)
を
捏
(
こね
)
る必要もなかったのである。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
実は花の形が横から見た
雞
(
にわとり
)
に似ているのでそういったのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
雞
部首:⾫
18画
“雞”を含む語句
雄雞
水雞
葉雞頭
雞卵
雞籠
呼雛籬外雞
雞冠
雞頭
牝雞
矮雞
雞豚
雞血石
雞肋
雞群
雞鳴
雞狗
雞犬
雞小屋
食雞良詩
名二社在雞列
...