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陰険
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いんけん
ふりがな文庫
“
陰険
(
いんけん
)” の例文
それにも
係
(
かかわ
)
らず、平田一郎という
陰険
(
いんけん
)
な男は、一体どこから見ているのか、実に
詳
(
くわ
)
しく、実に正確に、夫婦間の
秘事
(
ひじ
)
を手紙の上に
暴露
(
ばくろ
)
してある。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてただ一言いのちをくれぬかという光秀のつきつめている心の底を
窺
(
うかが
)
うと、光春には、その無情も、その
陰険
(
いんけん
)
な仕打も、恨む気にはなれなかった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、何かしら——実際私には何かわからなかったのだが——
唾棄
(
だき
)
すべき下等な目的をもってここへ来たのに相違ない。私はその
陰険
(
いんけん
)
と
執拗
(
しつよう
)
とに感嘆に近い憎悪を燃やした。
秘密
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
それらの品が六郎氏の
陰険
(
いんけん
)
な悪戯を証拠立てているというばかりではなく、一歩譲って、春泥が六郎氏に
疑
(
うたがい
)
をかける為に、その品々を偽造し六郎氏の本棚へ入れて置いたと考えることさえ
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
続いて、聞えてきたのは、太い調子のひそひそ声で、なにか
陰険
(
いんけん
)
な悪口か、
猥褻
(
わいせつ
)
な批判らしく、無遠慮に
響
(
ひび
)
いてくる高らかな皆の笑い声と共に、ぼくは
又
(
また
)
、すっかり
悄気
(
しょげ
)
てしまったのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
嫉妬
(
しっと
)
、
貪慾
(
どんよく
)
、
猜疑
(
さいぎ
)
、
陰険
(
いんけん
)
、飢餓、
憎悪
(
ぞうお
)
など、あらゆる不吉の虫が
這
(
は
)
い出し、空を
覆
(
おお
)
ってぶんぶん飛び
廻
(
まわ
)
り、それ以来、人間は永遠に不幸に
悶
(
もだ
)
えなければならなくなったが、しかし、その匣の
隅
(
すみ
)
に
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
勝見が独りでいるところを横から見ていますと、何かに
憑
(
つ
)
かれているようなんですよ。話をして見ても、言語のはっきりしている割合に、どことなく
陰険
(
いんけん
)
なんです。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すでに今朝から
陰険
(
いんけん
)
な
相
(
そう
)
をあらわしていた空は、この時になって、いっそうわるい気流となり、
雷鳴
(
らいめい
)
とともに密雲の
層
(
そう
)
はだんだんとあつくなって、
呼吸
(
いき
)
づまるような
水粒
(
すいりゅう
)
の
疾風
(
しっぷう
)
が、たえず
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
×国は三十年も前から
仮想敵国
(
かそうてきこく
)
として我国を
睨
(
にら
)
んでいるのです。あらゆる
術策
(
じゅつさく
)
が我国に
施
(
ほどこ
)
されてある中に、最も
陰険
(
いんけん
)
きわまるのはこの国際殺人団の本体であるところのJPC秘密結社です。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
陰
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
険
常用漢字
小5
部首:⾩
11画
“陰”で始まる語句
陰
陰鬱
陰影
陰気
陰翳
陰陽師
陰氣
陰欝
陰陽
陰々