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錯雜
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さくざつ
彼は
又火が
野茨の
株に
燃え
移つて、
其處に
茂つた
茅萱を
燒いて
焔が一
條の
柱を
立てると、
喜悦と
驚愕との
錯雜した
聲を
放つて
痛快に
叫びながら
一足森に
入れば
劇しく
叩く
太鼓の
音が、その
急いで
遠くへ
響き
去るのを
周圍から
遮り
止めようとして
錯雜して
茂つて
居る
幹や
小枝に
打當つて
紛糾つて
居るやうに
夜は
深けて
居た。きろ/\きろ/\と
風船玉を
擦り
合せる
樣な
蛙の
聲が
錯雜して
聞えて
居た。