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鈕
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ぼたん
ふりがな文庫
“
鈕
(
ぼたん
)” の例文
常の衣の上に
粗𣑥
(
あらたへ
)
の
汗衫
(
じゆばん
)
を被りたるが、その
衫
(
さん
)
の上に縫附けたる
檸檬
(
リモネ
)
の
殼
(
から
)
は大いなる
鈕
(
ぼたん
)
に
擬
(
まが
)
へたるなり。肩と
鞾
(
くつ
)
とには青菜を結びつけたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
爾して其の本の抜けた後の空所へ手を差し入れたが、秘密の
鈕
(
ぼたん
)
でも推したのか忽ち本箱が扉の様に両方へ開いた。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
風の、その
慌
(
あわただ
)
しい中でも、
対手
(
あいて
)
が教頭心得の先生だけ、もの
問
(
とわ
)
れた心の
矜
(
ほこり
)
に、話を咲せたい源助が、薄汚れた
襯衣
(
しゃつ
)
の
鈕
(
ぼたん
)
をはずして、ひくひくとした胸を出す。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
打扮
(
いでたち
)
は和蘭陀の古代の風俗(帯で腰を約した木綿衣)袴は幾重も穿き、外の分は濶くて、両側は各一列の
鈕
(
ぼたん
)
で留めてあります。膝の処には紐が附いて居ります。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
但し
材料
(
しなもの
)
や飾りは出来るだけ派手な上等のものにして、
鈕
(
ぼたん
)
にはこれを附けるようにと云いながら、
髪毛
(
かみのけ
)
の中から大粒の
金剛石
(
ダイヤモンド
)
を十二三粒取り出して渡しました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
向ひには、皮膚のあらゆる
毛孔
(
けあな
)
から脂肪を噴き出してゐるやうな、あから顔の大男が乗つてゐる。
竪横
(
たてよこ
)
の
縞
(
しま
)
のある茶色の背広服の
鈕
(
ぼたん
)
が、なんだかちぎれさうなやうな気がして、心配である。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
帶
(
おび
)
しめ
鈕
(
ぼたん
)
かけ
身
(
み
)
を
固
(
かた
)
め、
趾
(
あしゆび
)
殘
(
のこ
)
らず
裏返
(
うらがへ
)
す。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
けれども今一人はこれと違って、大きな
金剛石
(
ダイヤモンド
)
の
鈕
(
ぼたん
)
を着けた紫色の男の服に
華奢
(
きゃしゃ
)
な銀作りの剣を吊るして、
頭
(
かしら
)
に
冠
(
かむ
)
った紫色の帽子には白鳥の羽根を只一本
挿
(
さ
)
していました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
来た、悪魔が来た。美紅姫にそっくりの悪魔が男子の着物……紫の
髪毛
(
かみのけ
)
……銀の
剣
(
つるぎ
)
……
金剛石
(
ダイヤモンド
)
の
鈕
(
ぼたん
)
……窓から白い手を出して……手には美しい宝石の
紐
(
ひも
)
を持って……その紐を投げ付けた。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
“鈕(ボタン(服飾))”の解説
ボタン(pt: botão、en: button、釦、鈕)とは、衣服、鞄、靴などに止め具として使用される服飾物。縫製副資材の一種である。語源はポルトガル語 botão が最も有力な説とされる。多くは実用性と装飾を兼ねるが、もっぱら装飾目的の「飾りボタン」もある。
(出典:Wikipedia)
鈕
漢検1級
部首:⾦
12画
“鈕”を含む語句
釦鈕
扣鈕
金鈕
控鈕
円鈕
絹鈕
鈕平
鉄鈕
鉤鈕